Letter from Doctor (Mar Issue 2026)
01 Mar 2026
医師 仲山 佑果
免疫療法は、アレルギー体質を根本から改善する治療です
日本ではスギ花粉とダニ、シンガポールではダニアレルギーが治療対象となります
■舌下免疫療法とは?
舌下免疫療法は、アレルギーの原因となる物質を、毎日少量ずつ舌の下に入れて続ける治療です。
少しずつ体を慣らすことで、アレルギー反応を起こしにくくし、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの症状を軽くすることを目的としています。
アレルギーの治療というと、症状が出たときに薬を飲む方法が一般的ですが、舌下免疫療法は症状を抑えるだけでなく、アレルギー体質そのものを改善することを目指す治療です。
●これまでの治療との違い
以前は、アレルギーの原因物質を注射する「皮下免疫療法」が主に行われていました。
この方法は効果がある一方で、注射のために頻繁に通院する必要がありました。
舌下免疫療法では、錠剤を舌の下に置いて溶かすだけなので、
・毎日自宅で続けられる
・注射が不要
・通院回数が少ない
といったメリットがあります。
●どんな病気に使われるの?
舌下免疫治療は主にアレルギー性鼻炎(花粉症を含む)、気管支喘息などの治療に使用されます。
●どんな人へおすすめする治療?
アレルギー性鼻炎に対して、薬が効きにくい、将来的に薬の量を減らしたい、薬の副作用が強い、アレルギー体質を根本から改善したい方におすすめの治療です。
●誰が治療を受けられるの?(日本)
日本では、スギ花粉とダニが舌下免疫療法の対象です。
治療を始める前に血液検査を行い、アレルギーがあることを確認します。
一般的に、5歳以上のお子さん、成人の方であれば治療が可能です。
妊娠中・授乳中は新しく治療を始めることはできませんが、すでに治療中の場合は継続できることがあります。

●治療の効果について
舌下免疫療法は、アレルギーの原因そのものに働きかける治療です。
約8割の方で、症状が軽くなる、または薬の量を減らせるといわれています。
効果が出るまでには1〜2年ほどかかることが多く、すぐに症状がなくなる治療ではありません。治療を3〜5年続けることで、治療終了後もしばらく効果が続くことが期待できます。
●副作用はありますか?
治療を始めた頃に、
・口の中やのどのかゆみ
・違和感
・軽い腫れ
などが出ることがありますが、多くは軽く、自然におさまります。
重い副作用はアナフィラキシーショックがありますが非常にまれで、安心して受けられる治療とされています。

●治療の流れ
1日1回、錠剤を舌の下に1分ほど置いてから飲み込みます。
初回は病院で行い、その後は自宅で毎日続けます。
毎日続けることがとても大切です。
●シンガポールと日本の舌下免疫療法の違い
最も大きな違いは、スギ花粉の治療があるかどうかです。
日本ではスギ花粉症が非常に多いため、スギ花粉に対する舌下免疫療法が行われています。
一方、シンガポールにはスギ花粉が飛散しないため、スギ花粉の舌下免疫療法は行われていません。
ただし、ダニに対する舌下免疫療法は、シンガポールでも日本と同じように行われています。
シンガポール治療方法や効果、安全性は日本と変わりありません。
文責・画像:仲山佑果











