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Letter from Editing room (Apr issue 2023)

31 Mar 2023

 


 


 4月。日本では年度の切り替えの月、そしてスタート時期。学校の入学式、会社の入社式。桜の開花にそわそわしながら、新しい準備を始める季節です。先日シンガポールで桜を見つけました。スターバックスコーヒーの容器に桜の花びらが描かれていたのです。意外なところで春を見つけて嬉しくなりました。


 「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」桜の花があるから散ることが気になり落ち着かないと在原業平は桜の魅力を反語的に詠みました。日本では、この季節を桜抜きでは語れません。どこの桜が開花したというニュースを目にしたり、お花見スポットの紹介がネットにあがっていたり、今年はどこの桜を見ようかと楽しみでした。


 満開の桜の木のある風景とともに桜の花の咲く季節の思い出がよみがえってきます。昨年は、谷中の墓地から上野公園まで、古くからの友人と彼女の愛犬フレンチブルドッグの「とらまめ」と私とでお花見散歩をしました。上野公園の屋外カフェでストーブに当たりながら来年の今頃は異国でどんな風に過ごしているのかとか、新型コロナウイルス(COVID-19)が落ち着いた未来の希望とかを語り合いました。1年後の今年は、シンガポールでできた友人とジュロンレイクガーデンでかわうそファミリーが姿を見せるのを待ちながら桜デザインのカップでコーヒーを楽しみました。薄曇りの木陰のベンチに吹く風は心地よく、4月、年度が替わったら新しいこと何か始めてみようかと考えていました。


(編集部 元持成美)

Letter from Editing room (Apr issue 2023)