Letter from Editing room (Sep Issue 2025)
01 Sep 2025
わーいわーい。洗濯機の中から、楽しそうにおしくらまんじゅうしている洗濯物の声が聞こえるーーなんて妄想しながら洗濯機の中を覗いている変わり者(?)。今月の編集後記は、洗濯をこよなく愛する編集長の物語です。
「趣味は何?」と聞かれると、いつも返事に窮していた。下手の横好きでいろいろなことに手を出してきたが、「ゴルフ」と答えれば「スコアは?」と聞かれ、「読書」なんて答えた日には「好きな作者は?」「好きなタイトルは?」なんてジャブの応酬を受けて打ちのめされ、適当に答えてしまったのがバレバレだった。
いつの頃からか、「趣味は?」と聞かれると「お洗濯」と答えるようになった。すると、相手の頭が一瞬真っ白になる。そのタイミングを逃さず、「洗濯機が回るのを見ていると飽きないんですよぉ」と畳みかけると、相手はたまらず頬を引きつらせながら「そうなんですかぁ」と答えざるを得ない。ふっふっふ、俺様の勝ちでゲームセットだ。
さて、なんといっても洗濯機はヨコ型がいい。右に左に回るだけでなく、右に回る前にはちょこっと左回転をして反動をつけるところなんて、小首をかしげているようで愛嬌があり、何度見ても飽きない。余談だが、我が家の洗濯機は日系P社製である。名前はまだない。
ちなみに、吾輩は洗剤オタクでもある。いや、オタクといっても洗剤を買い漁っているわけではないが、洗剤には一抹のこだわりがあり、洗濯物の量を見て洗剤の分量を考え、その分量を量るために全神経を集中させる。その一瞬に一日のパワーの大半を使っていると言っても過言ではない。分量が多すぎて洗濯機に泡が残った日など、一日損をした気分になってしまう。まぁ、自称“洗濯のプロ”ゆえ、そんな日は数えるほどしかないのだが。
しまった、好き勝手なことを書いているうちに余白がなくなってきた。どうやら吾輩の洗濯偏愛は編集後記には収まりきらないようだ。いつか『南十字星』に特集コーナーを作ってもらおう。
日本人会に数多くの同好会あれど、どうして洗濯同好会がないのだろう。あの洗濯機がかっこいい、この洗剤が抜群などと語り合う会があってもよかろうに。ただ、そんなに頻繁に洗濯機や洗剤が改良されるわけではないので、開催頻度は年に一回程度か。このコラムを機に、洗濯同好会を立ち上げよう機運が一気に高まるのではないかと夢想した、楽しいひとときであった。
(編集長 梅田哲司)
