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Letter from Editing room (July issue 2024)

21 Jun 2024

 


 みなさん、ドラゴンボートフェスティバルという催しはご存知でしょうか。
 私は友人がドラゴンボートのチームに入るまで、恥ずかしながらこの催しを知りませんでした。
 ドラゴンボートとは、龍舟あるいは龍船と呼ばれる幅が狭く縦に長いボートのことです。漕手20名が対になって船♛に向かって座り、太鼓手1名が舳先で後ろ向き、舵取り1名が船尾に立って競技を行います。
 その起源は中国の戦国時代にまで遡るとも言われています。屈原(Qu  Yuan)という政治家が追放され入水したところ、漁民たちは彼が魚や龍に襲われないようにドラや太鼓を打ち鳴らしオールで水面を叩いたそうです。また、彼の体が食べられないように葉っぱに包んだご飯を代わりに川へ投げ入れました。それ以来、彼の命日である旧暦5月5日にはその霊を祀るためちまきを食べ、小舟のレースを開催するようになったのだそうです。
 友人にこの話を聞いてから、川沿いなどを通過する時にはドラゴンボートの練習をよく見るようになり、ニョニャクエ屋さんの店先につり下がっているちまきを買うようになりました。
 近代的な都市国家というイメージの強いシンガポールですが、こうした伝統的な行事も大切にされているのを知ると、日常の風景も変わって見えてきます。
 多民族、多宗教の国シンガポールでは一年中たくさんの催しがあります。ぜひこうした催しに参加してみて下さい。普段とは違った面が見られると思います。



(編集部 森田恵莉華)

Letter from Editing room (July issue 2024)