Letter from Editing room (Jan Issue 2026)
01 Jan 2026
新年明けましておめでとうございます。
去年は“SG60”としてシンガポール独立60周年を祝う全国的な取り組みがおこなわれました。そして今年2026年は日本とシンガポールの外交関係樹立60周年“SJ60”を迎え、二年連続での記念の年となります。
去年の“SG60”の記念もかねて、引き続き今年もシンガポール国立博物館では“Once Upon a Tide”という展示が開催中です。この展示は去年5月から始まり、今年10月初旬まで開催されます。シンガポールの開拓期から世界都市へと発展したシンガポールの歴史の流れを展示品を通して知ることができます。私が特に興味をもった展示は、この国の発展と「砂」についての展示です。
シンガポールは四方を海に囲まれ、マングローブに覆われた湿地帯が多い島だったため、植民地時代から何度も埋め立て工事が行われてきました。特に1965年の独立後からは、埋め立てにより国土を増やすことは国の発展に欠かせない重要な戦略の一つとなりました。その結果、独立前の面積は約580㎢でしたが現在は約730㎢にも拡張しました。その埋め立てに必要なのが「砂」でした。「砂」はどこにでもあるもの、という感覚を私は持っていましたが、現在は“砂マヒィア”という組織があるほど「砂」は貴重なものだそうです。開拓時は湿地帯の埋め立てにはシンガポールの小山を切り崩して埋め立てに利用していました。切り崩せる小山が無くなってしまうと、近隣諸国のマレーシア、インドネシア、ベトナム、カンボジアなどから「砂」を輸入して埋め立てに利用していました。しかし現在は環境破壊を防ぐため「砂」の輸入が厳しく制限されています。残念なことにシンガポールは世界一「砂」の輸入量が多い国です。そのため政府は港の基礎工事で掘り出された海洋粘土、地下鉄のトンネル工事で発生した掘削土、建設廃材のリサイクル、人工砂の開発など持続可能な代替材料の開発に取り組んでいます。そんな「砂」について考えさせる展示が「Shifting Sands」(移り変わる砂)という6枚の大きな写真です。これらの写真は写真集の一部で、現在進行中のトゥアス・コンテナターミナル建設の様子などが撮影されています。2040年の完成後には世界一のコンテナ取扱量を目指すターミナルになるそうです。小さな島国の発展には国土拡張のため「砂」は依然として必要不可欠ですが、環境保全のためには様々な努力が必要です。
シンガポールと日本の外交関係樹立60年の今年、日本とシンガポールの歴史と共に、両国の環境問題に対する取り組みにも目を向けたいと思っています。
(編集部 西山ひろ美)











