aboutus-banner

Letter from Editing room (Jan issue 2024)

15 Dec 2023

  


 ハリラヤ、ハロウィン、ディパバリ、クリスマス、旧正月と、日本人学校小学部クレメンティ校では祝日やイベントに合わせて、通常の英語科授業が特別授業に変身します。特別授業がある日は、その日に合わせた衣装を着たり、顔にペイントをしたりして登校することができます。強制ではありませんが、多くの子どもたちが家庭で用意してきたものを身にまとっています。もちろん先生たちも参加して、特別授業の日は学校全体がとても色鮮やかで、楽しい雰囲気に包まれます。


 私自身もシンガポールに来て、様々な伝統衣装を着る度に心が躍ります。日本人でありながらも、その国の一部に仲間入りできたような感覚がとても好きなのです。日本では祝日だけでなく節句の日も設けられていて、季節の変わり目を感じながら、無病息災、豊作などを祝うことが日本の伝統・文化です。しかしよく考えてみると、私たちが伝統衣装を着る機会はほとんどないように思います。私はシンガポールで様々な伝統衣装に触れて、改めて日本の着物を懐かしく感じています。自然文様、吉祥文様、動物文様などの柄、帯の色合わせ、小物選び、と考えるだけでうきうきと胸が高まります。背筋をピンと伸ばして、下駄を履き、小股で歩く、その作法でさえも懐かしく、にぎやかなお祭りや盆踊り、花火を連想させるのです。このような懐かしさは、海外で生活しているからこそ感じることだと思います。シンガポールにいる間は、各国の伝統衣装にたくさん触れ、帰国した際には着物や浴衣をたくさん着ようと私は目論んでいます。


(編集部 田原口和華子)

Letter from Editing room (Jan issue 2024)