Letter from Editing room (Feb issue 2024)

　　日本文化が少し恋しくなった年末年始。日系スーパーに買い物に行くと切り餅に目がいきました。やはり正月にお餅はかかせないので、何餅を食べようかワクワクしながら買い物も弾みました。冷凍の枝豆を買い、ふるさと仙台の名物「ずんだ餅」を手作りすることにしました。日本ではしていなかったことも、異国の地ではしたくなってしまいます。

　今日は日本を感じることに決めました。夜にはちょっと贅沢に銭湯に浸かりました。久しぶりの熱々の湯船が体に染みます。もちろん日本ほどの施設ではないにしても、心も体も幸せいっぱいになりました。その後、日本のラーメンを食べに行きました。一緒に餃子も注文すると、平皿ではなくご飯茶碗に盛り付けられた餃子と、付け合わせのスイカが出てきました。どこか違和感を感じながらも美味しく頂きました。周りでは英語に加えてマレー語や中国語も飛び交っていました。後ろのモスクからはコーランが聞こえてきました。その中でラーメンを食べる自分。なんだか不思議な気分になってきました。このシンガポールという地で、日本文化だけを感じようとしていた自分が間違っていたのかもしれません。

　愛する日本文化も、この多文化の国では色とりどりの一つに過ぎないのでしょう。ここで出会う、様々な文化が織りなすユニークな日本文化を、心ゆくまで堪能することにしようと思います。

（編集部　大内秀平）