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心と体のセルフケア(講座講師だより)連載コラム②(8月号 2021年)

31 Jul 2021

森さやか(インド政府認定ヨガセラピスト)


 


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「ストレスはありますか?」と皆さんに伺うと、「よくわからない」と回答される方も少なくありません。よくわからない理由を伺ってみると、こんな答えが返ってきます。


何がストレスなのかわからない


仕事をしていないので、わからない


ストレスの数値を測るものがないのでわからない


ストレスとは…


 外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態で、それは、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなどの心理的な要因、そして人間関係や多忙、仕事からくる社会的要因もあります。


 例え、良いことであったとしても、日常の中で起こる様々な変化や刺激がストレスの原因になります。


ストレスの感じ方は人それぞれ


 同じ出来事に対しても、ストレスを感じる人と感じない人がいます。


また、同じ人間でも同じ出来事に対してストレスを感じる時と感じない時がありますよね。


なぜ、そのような違いが起こるのか?


 ヨガセラピーでは、ストレスはマインド(=思考や感情、その傾向)から来ていると考えます。


 ヨガのアーサナ(ポーズ)では、同じポーズを繰り返し練習することで、自分の身体の使い方の癖に気がつくことがあります。それと同じようにマインドにも傾向、癖のようなものがそれぞれにあるように思います。


 ストレスを受けにくいマインド、何にも乱されず、安定した自分になるために重要なのは『気づく』こと。アーサナと同じように、まず自分と向き合い、自分を知ることが『気づく』ことに繋がります。


 先月号でお話したように、現代は何でもスピード化された時代。それは例えるなら、自転車をひきながら坂道を下りているようなもの。自分よりも自転車が早く進んでしまうと、自分が自転車にコントロールされているような気持ちになり、自転車についていくことに必死になります。けれども、もし自転車と同じスピードで歩いていれば、どうでしょうか。


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安心しながら、周りの景色を楽しんだり、日常の美しさに気づくことができる。


 目まぐるしく過ぎていく毎日の中で、『気づく』ためには、安心安全な環境、リラックスしていること、情報過多な日常から少し離れて静かな時間を作ること、ヨガでいうと瞑想もオススメです。


 ちなみにストレスにさらされた状態が続くと、身体に最初に表れる症状は胃腸の問題と睡眠障害です。この二つは、ストレスを測るバロメーターにもなります。自分がそこで気づかなければ、『ストレスは万病の元』と言われているように、大きな病気に発展する可能性もあります。


 ヨガセラピーでは心身症(=心の問題の関与が大きい身体疾患)を扱います。


 疾患例としては、胃腸障害、高血圧、喘息、てんかん、うつ、肥満、糖尿病、月経異常、自律神経失調症、関節炎、更年期障害、不眠、頭痛、肩こり、腰痛、甲状腺機能障害、癌などが挙げられます。


 心身症は、身体へのアプローチだけでは、根本からの治癒は起こりません。 


 ヨガの古い文献の中に、人間の身体は五層(肉体、気、心(マインド)、知性、歓喜)からなるという『パンチャコーシャ』の理論があります。


これらの層を全て整えることは、根本的な治癒、そして心身を真の意味で健康に導くことができると言われています。


 次回は最終回になりますが、このパンチャコーシャについてのお話をしたいと思います。


文責・画像:森さやか(インド政府認定ヨガセラピスト) 日本人会開講講座(ベーシックヨガ/ヨガストレッチ〜柔軟性を高め る〜/体幹ヨガ/・女性の為のヨガセラピー/体幹ヨガベーシック)

心と体のセルフケア(講座講師だより)連載コラム②(8月号 2021年)