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ドクターからの手紙 「喉頭ファイバースコープで何ができる?」(8月号 2023年)

26 Jul 2023

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喉頭ファイバースコープ(nasoendoscopy)とは 


 喉頭ファイバースコープは、胃カメラのように、先端にカメラのついた細い器具を使用して、鼻から鼻・咽喉頭(のど)領域を観察するために使用します。胃カメラよりも細いため、痛みが少なく、鼻から挿入するため、検査時に嘔吐反射もなく検査を行えます。日本では、主に耳鼻咽喉科で行う検査です。


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どのような症状で検査をすすめられる?


鼻:繰り返す鼻出血、鼻の中のできもの、鼻づまり、鼻の中の違和感等


咽喉頭:魚の骨が刺さった、声がかれた、喉の違和感、喉の痛み、飲み込みにくい、むせやすい、血痰がでる、呼吸が苦しい等


どのような病気を見つけられる?


鼻:鼻出血の出血部位確認、鼻腔/上咽頭腫瘍、鼻粘膜の腫れ、


鼻中隔の彎曲部位確認、後鼻漏の有無、鼻茸の性状等


咽喉頭:魚の骨などの異物の有無の観察、声帯麻痺、声帯腫瘍、急性咽喉頭炎、急性喉頭蓋炎、喉頭蓋のう胞、舌腫瘍、咽喉頭腫瘍、嚥下障害等


 


NBIシステムとは


 鼻・咽喉頭領域で最も見逃してはならないのが、悪性腫瘍(がん)です。


 悪性腫瘍の早期発見に有用な検査として、喉頭ファイバースコープの撮影モードを変換して観察する、挟帯域光観察(NBI=Narrow Band Imaging)システムがあります。NBIシステムとは、粘膜表面の微細な血管を観察するシステムで、その所見によって通常の撮影モードでは見逃しやすい悪性腫瘍も早期に発見する手助けとなります。


 具体的には、NBIシステムを使用して、2つの短い波長の光を粘膜にあてることで粘膜の細かい表面模様 や毛細血管を表面に映し出します。撮影範囲に悪性腫瘍がある場合、周囲の正常粘膜とは表面模様や 毛細血管の走行が異なるため、撮影画像の色調の違いで悪性腫瘍(がん)病変の存在が想定できます。確定診断はあくまでも組織を採取しないとできませんが、早期発見、早期診断の手がかりとして大いに役立つ検査法です。


 こちらのシステムは使用する喉頭ファイバースコープの機材の種類により、行えるものと行えないものがあります。


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どのように検査する?


①まずは、鼻内へスプレーをし、麻酔をします。


②鼻腔の広い側から、外径3mm程の細く柔軟性のある喉頭ファイバースコープを操作で角度を変えながら挿入します。先端のカメラに映し出される画像を見ながら、鼻から喉頭(声帯直上まで)を評価します。基本的には、嘔吐反射は起きずに検査が可能で、痛みも軽度とおっしゃる方が多いです。病変があれば、静止画を記録する場合もあります。


③NBIシステムへ撮影法を変更し、悪性腫瘍を疑う病変がないかくまなく観察します。(NBIシステムが備わっている場合)


④最後に、ゆっくり内視鏡の先端を操作しながら、喉頭ファイバースコープを摘出します。全行程で、おおよそ10〜20分程度の検査となります。必要性があれば、何度でも行うことのできる検査です。


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嚥下内視鏡検査(VE:Videoendoscopic Evaluation of swallowing)


 嚥下内視鏡検査とは、喉頭ファイバースコープでのど(咽喉頭)を観察しながら、さまざまな食べ物・飲み物の食事形態で飲み込みを患者さんにしていただき、嚥下機能を評価する検査です。当院の言語療法士と協力しながら、こちらの検査も当院で行うことがあります。飲み込みに関して気になることがありましたら、お問い合わせください。


 


まとめ


 当院でも、喉頭ファイバースコープを用いた検査が予約なしで可能です。ご興味のある方は、お気軽に日本人会クリニック(TEL:6467-0070)にお問い合せください。

ドクターからの手紙  「喉頭ファイバースコープで何ができる?」(8月号 2023年)