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喰いだおれ in Singapore 第8回目 アヤラジャフードセンター:プロウン・ミー、ホッケン・ミー、チキンライス(6月号)2022年

31 May 2022

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「喰いだおれ in Singapore」


 


  


 南十字星編集委員がローカルレストランやホーカーをめぐり、実食し、感想を詳しくレポートしてまいります。
 第8回目は、日本人学校中学部職員の台所と言っても過言ではない「アヤラジャフードセンター」を紹介していきます。中学部から徒歩1分、お店も中華系・インド系・マレー系とバランスよく揃っており、毎日通う職員もいるほど愛されています。その中から今回はプロウン・ミー、ホッケン・ミー、チキンライスをご紹介します。(取材日:2022年3月19日)


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アヤラジャフードセンターの外観
(West Coast Drive Blk 502 and 503,120503)


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アヤラジャフードセンターの中の様子


Prawn Mee
プロウン ミー


プロウン・ミーとは
 注文時に「スープ」か「ドライ」かを選ぶ。「スープ」は汁の中に麺があるもので「ドライ」は麺にタレと具がからめてあり、脇にスープを添えて出される。麺はコシのあるタイプではなく、やわらかめである。戦後のシンガポールでは、ホッケンストリートで作られていたため、Hokkien Prawn Noodle Soupという名も得た。


はじまり  
 多くのプロウン・ミーの歴史をひもとくと、シンガポールには1880年代に、中国福建省厦門から伝わってきたとある。干しエビと干し貝柱を8時間以上煮込んでとったダシをベースに作ったスープに、ホッケン・ミー(チャンポンに使うような黄色い麺)を入れた料理である。日本流に言えば「エビラーメン」といったところか。


材料・調味料  
 麺は、イエロー・ミー(中華麺)、バンミー(きしめん)、ビーフンなどを使う。具は、エビ、モヤシ、排骨、揚げたニンニクなどが入っている 


JOO CHIAT PRAWN MEE
 1983年創業のこちらのお店は、お昼時になるといつも行列ができています。$4.00、$5.00、$6.00からお値段を選ぶことができます。私は「スープ」の$4.00を注文しました。濃厚なスープともちもちの麺の上に、尾頭付きのエビが3尾も乗っています。スープはエビらしい魚介のさっぱりとした味わいですが、とろっとした濃厚さがあります。これが麺と上手く絡み、本当に美味しい!エビもプリプリとしていて大満足でした。たった$4.00でこんなに贅沢ができるなんて、さすがシンガポールですね。ちなみに、このお店ではエビの他にもポークリブやピッグテールを選ぶこともできます。ぜひお試しください!


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JOO CHIAT PRAWN MEE


Hokkien Mee
ホッケン・ミー


ホッケン・ミーとは 
 中国の福建省に起源を持つシンガポール、マレーシアの代表的な焼きそば。麺にとき卵、豚肉、エビ、イカ、モヤシなどを入れて、だし汁をたっぷり含ませて炒める。サンバル・ブラチャン(エビを発酵させた調味料)とライムが添えられている。


はじまり  
 シンガポールには福建省出身の華人が多く住んでいる。長い文化交流の時間を経て少しずつ伝えられたといわれている。福建省で小麦粉の炒め麺というと、油で一度揚げてから煮戻す手法が使われる。そのほかにもいったん麺だけを炒めて甘めの下味を付け、次に具を炒めて、水溶き片栗粉で餡にしたあと、麺を再投入する焼きそばもある。シンガポールでは、店によって手法が違う。 


材料・調味料 
 シンガポールのホッケン・ミーは米麺と卵麺をミックスしている。また、具材としてエビ、モヤシ、イカなどが入っている。それらの具材にサンバルブラチャンを入れラードで炒める。海鮮のうま味、野菜の甘みが麺にしみこみ、絶妙な味わいとなる。食べる際は、ライムに似たlimau purut(リマウプルッ)と呼ばれるコブミカンの汁をかけて食べる。


 


② Fried Hokkien Prawn Mee 
 エビやイカ、アサリや細切りのチャーシューなどの具材に2種類の麺(米麺と中華麺)を炒めたシンガポールの庶民的フードです。海鮮ベースの風味豊かで、複雑な味わい。添えられたライムに似たカラマンシーや唐辛子ペーストを混ぜると2度、3度と美味しく味わえます。ちゃんぽんに近い味わいで、日本人にも食べやすい味です。サイズも$4.00、$5.00、$8.00とあるため、数人でシェアするにもぴったりです。来星してから食べ続けているホッケンミーは、私にとってシンガポールのおふくろの味です。ぜひお試しください!


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Fried Hokkien Prawn Mee


Chicken Rice
チキンライス


チキンライスとは
 茹でた鳥と、その汁で炊いたご飯を一緒に盛り付けた料理。シンガポールだけでなく、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、カンボジアなど東南アジアの多くの地域で一般的な料理である。海南島から伝わったということで、シンガポールでは「海南風(ハイナニーズ)チキンライス」ということも多い。通常スープと一緒に出される。シンガポールで最も人気の高いホーカー料理の一つ。各地で呼び名が異なり、マレーシア・インドネシア…「ナシ・アヤム」/タイ…「カオマンガイ」/ベトナム…「コムガ—」/カンボジア…「バーイアモン」などと呼ばれている。それぞれの地域で、味付けやご飯の盛り付け方、薬味などに違いも見られる。例えば、マレーシアではボール状のご飯が出される店が多い。


③ 長城鶏飯 GREAT WALL CHICKEN RICE 
 チキンライスのお店「長城鶏飯」の「レモンチキンライス」($4.80)は、カリッと揚げられたチキンに酸味のきいた特製レモンソースがかけられているのが特徴です。常夏の暑さが続くシンガポールでは、暑いなか揚げ物を食べることを避けたくなりますが、このお店のチキンは暑いホーカーの中でもさっぱりと食べることができます。さらにお好みでチリソースをかけると先ほどとは異なる味も楽しめます。厚すぎない衣とサクサクとした食感のチキンに添えられたレタス、そこに程よくかけられたお店特製のレモンソースの相性を実際に食べて確かめてみてください。


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長城鶏飯 GREAT WALL CHICKEN RICE


文責・写真 南十字星編集委員
<日本人学校中学部教諭>
松田航平、柴引真奈、品川彩子


史蹟史料部発行の冊子『喰いだおれ in Singapore』(クラブショップで販売中)に掲載されているローカルフードの説明文を引用しております。


 


 


 


 


 


 

喰いだおれ in Singapore 第8回目 アヤラジャフードセンター:プロウン・ミー、ホッケン・ミー、チキンライス(6月号)2022年