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喰いだおれ in Singapore 第6回目 チャンギ ヴィレッジ ホーカーセンター: サティとナシ・ラマ(3月号)2022年

24 Feb 2022

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「喰いだおれ in Singapore」


 


 南十字星編集委員がローカルレストランやホーカーをめぐり、実食し、感想を詳しくレポートしてまいります。第6回目は、チャンギ・ヴィレッジ・ホーカー・センターの 「サティ」と「ナシ・ラマ」をご紹介します。(取材日: 2021年12月3日)


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チャンギ・ヴィレッジ・ホーカー・センター(所在地:2 Changi Village Rd, Singapore 500002)


Satay
サティ


サティとは   


 サティは、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイなどの東南アジア諸国で広く食べられている串焼き料理。外見が日本の焼き鳥に似ているので「(現地風の)焼き鳥」と訳される場合が多いが、鶏肉が使用される「サティ・アヤム(sate ayam)」の他に、牛肉を使った「サティ・サピ(sate sapi)」、山羊肉を使った「サティ・カンビン(sate kambing)」など他の肉でも作られる。日本の焼き鳥より小ぶりの場合が多い。サティの付け合わせに忘れてはいけないのが、すり下ろしたピーナッツといろいろなスパイス、パイナップルなどを混ぜ合わせて作るピーナッツソース。そして、刻んだタマネギ、キュウリなどが添えられている。


はじまり 


 中近東の遊牧民たちで、大きなナイフに羊などの肉のかたまりを刺 して焼いて食べていたものが、ケバブなどに形を変え、15世紀頃盛ん に行き来したアラブの貿易商人達とともに、インド、東南アジア、中国などに流布した食文化だといわれている。


材料・調味料 


 鶏肉を塩、コショウ、レモン汁、料理酒などによくからませる。それを竹串にさし、炭火で焼く。タレはピーナッツ、ニンニク、ココナッツミルク、醤油、みりん、チリソース、ゴマ油、おろしたショウガなどを混ぜ、煮つめて作る。


 


①JASON'S PLACE


 ポークベリー、鶏肉、マトンとチキンウィングを注文しました。1本ずつの値段が書いてありますが、ある程度の本数(5本以上)からのオーダーの店がほとんどなので、注意してくださいね!ポークベリーは、一口サイズに切られた肉が、ぎっしりと串に刺さっていました。ピーナッツソースはごろごろと具だくさんで、こぼさずに食べるには技術が必要でした。ソースをつけなくても甘く、おいしい味がついていますが、ソースをつけるとさらにおいしくいただくことができます!鶏肉は小ぶりで、日本の焼き鳥より一回り小さく食べやすいです。焼き鳥のたれの他にも、こんなにおいしい食べ方があるなんて、と発見です。マトンはコショウなどの調味料での味付けで、くせを感じることなくいただきました!チキンウィングは日本の居酒屋でも食べたような、懐かしい味がしました。ぷりぷりでとてもおいしいです!


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JASON'S PLACE


 


② 順利興(SOON LEE HENG)


 ピーナッツソースが美味しかったです。甘みがあり、日本人の好みのコクがあると感じました。サティの大きさは比較的小ぶりでしたが、十分に美味しかったです。サティを食べながらたまに付け合わせのキュウリを食べると口の中がさっぱりします。看板で大々的に宣伝しているだけあって、チキンウィングも美味でした。ハーブのような外国風の風味があり、表面がかりかりして美味しかったです。


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順利興(SOON LEE HENG)


Nasi Lemak
ナシ・ラマ


ナシ・ラマ(Nasi Lemak)とは


 語源は、ご飯(Nasi)とココナッツミルク(Lemak)を合わせたものである。また、ナシ・ラマは「脂ご飯」という意味もあるが、この脂とはココナッツの油脂のことを指している。ナシ・ラマは、「ナシ・レマ」とも呼ばれ、シンガポールでは人気のある料理の一つで、どのフードコートやホーカーへ行っても必ずある。マレーシアでもよく朝に食べられ、ソウルフード(国民食)と言われるほど人気が高いマレー料理である。


はじまり 


 シンガポールができて間もない時代に、現地マレー人のコミュニティが海沿いに住んでいたころ、ココナッツなどの材料が豊富にあったことと、米との相性がよかったことによって誕生した。当時、ご飯に添えられていたのはカンコン(葉物野菜)やアンチョビ(イカンビリスという小魚)などである。今日、ナシ・ラマは朝食だけでなく、昼食や夕食としてもポピュラーな料理となっている。


材料・調味料 


 インディカ米にココナッツミルク、塩を加え、パンダン・リーフなどで風味を付けて炊くか、蒸して作られる。日本米を使う時は水分が多いため、固めに炊き上げるとよい。香り付けに、ショウガなどを入れて炊き上げる。添えられるおかずは、イカンビリス(カリッと揚げた塩辛い小魚)、ピーナッツ、サンバル(チリソース)、卵(目玉焼き、または、茹で卵)が一般的である。店によって、鶏肉のから揚げがセットでついてくる場合もある。


 


③ MIZZY CORNER


 訪問したのは夕方でしたが、ひときわ行列が目立っていたのが、このMIZZY CORNERでした。1997年創業で2017年のシンガポールベストフーズにも選ばれる有名店だそうで、5種類のセットに具を追加したり、最初から好きな具だけだったり、皆さん思い思いで注文しました。今回は欲張りでココナッツライスの上に、鶏肉のから揚げ、魚のフィレ、干物(Selar Fishというアジの一種)、ソーセージ、小魚(イカンビリス)、目玉焼きにサンバルをつけてもらいました。ココナッツライスは香りが立って非常に美味で、鶏肉や干物もカリカリで美味しい。サンバルは全く辛くなく玉ねぎとケチャップ風味が特徴的でした!次回行ったら他の具も試してみたいと思います!


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(編集後記)


 チャンギ・ヴィレッジ・ホーカー・センターはシンガポールの東の端、海辺の町にあります。シティにあるホーカー・センターとはまた違った雰囲気でローカル色が強く、マレー系のストールが多く並んでいました。潮風が気持ちよく、いつもと違った時間の流れを感じることができました。ゆったりとした時間を感じたい方は、ぜひ訪れてみてくださいね。


 


文責・写真 南十字星編集委員
<日本人学校小学部チャンギ校教諭、広報部理事>
原田渚未、小林智、神田真也(理事)


史蹟史料部発行の冊子『喰いだおれ in Singapore』(クラブショップで販売中)に掲載されているローカルフードの説明文を引用しております。


 

喰いだおれ in Singapore 第6回目 チャンギ ヴィレッジ ホーカーセンター: サティとナシ・ラマ(3月号)2022年