喰いだおれ in Singapore 第5回目 チャイナタウンコンプレックス: チェンドルとグラスゼリーロンガンとアイス・カチャン(2月号)2022年
28 Jan 2022
「喰いだおれ in Singapore」
南十字星編集委員がローカルレストランやホーカーをめぐり、実食し、感想を詳しくレポートしてまいります。第5回目は、チャイナタウンコンプレックスの「チェンドル」と「グラスゼリーロンガン」と「アイス・カチャン」をご紹介します。(取材日2021年11月27日)
チャイナタウンコンプレックス(335 Smith St, Singapore 050335)の外観
チャイナタウンコンプレックスの中の様子
Chendle
チェンドル
◉ チェンドルとは
カラメルやブラウンシュガーのかかったかき氷の層、緑色のゼリーが入ったココナッツミルクの層、そして、茹でた小豆の層の三層になっている。特に気になるのは、他の色とは調和しているとはいいがたい濃い緑のゼリー。しかし、食べてみると小豆のさっぱりとした味わいが日本人には懐かしく、ココナッツミルクとよく合う。ちなみに、緑のゼリーは米粉で出来ていて、パンダンリーフで色と香りが付けられている。
史蹟史料部発行の冊子『喰いだおれ in Singapore』(クラブショップで販売中)に掲載されているローカルフードの説明文を引用しております。
①Old Amoy Chendol
チェンドル専門店 「Old Amoy Chendol」のチェンドル($2)は思ったよりも甘くなく何杯でも食べられそうです。今までチェンドルは見た目で食べず嫌いをしていたのですが、こちらのチェンドルは感動的な美味しさでした。少しモチっとした食感でありながら喉越し良いチェンドルと、甘すぎない小豆、フレッシュなココナッツミルク、グラメラカシロップの香ばしさが冷たい氷と絡まって、本当に美味しいと感じました。かけるシロップの量をきいてくれるので、甘さもお好み次第なところも気が利いています。
Old Amoy Chendol
Grass Jerry Dragon's Eyes Fruit
グラスゼリーロンガン
◉ グラスゼリーロンガンとは
グラス(仙草)というシソ科の植物を煮詰めて作った黒いゼリーと、ロンガン(龍眼)というフルーツがのったデザート。少し苦みがあるので、シロップや蜂蜜をかけて食べる。さっぱりとした味。
② 雪花飛
ローカルデザートがたくさん並んでいる中、グラスゼリーロンガン($2.50)にチャレンジしました。かき氷の中に、細かく刻んだグラスゼリーがたっぷり入っていました。細かくなっているためか、グラスゼリー独特の風味がマイルドになっているように感じました。苦みはほとんどなく、ほんのりとした甘さがとてもおいしかったです。さっぱりとした喉越しと甘さなので、年中暑いシンガポールにぴったりのスイーツだと思います。
雪花飛
Ice Kachang
アイス・カチャン
◉ アイス・カチャンとは
アイスは氷、カチャンはマレー語で豆という意味。アイス・カチャンとはかき氷のようなものである。
食べていくと色々なものが出てくる。仙草を使ったGrass jerry(グラスゼリー)が中に入っているものもある。また、他に緑色の細長いゼリー(チェンドル)が入っているものもある。緑豆粉、米粉、タピオカ粉などを混ぜてパンダンリーフで緑に色づけしたものである。
アイス・カチャンに決まった形はないようで様々なトッピングを楽しむことができる。マンゴー・アイス・カチャンやピーナッツ・アイス・カチャンやドリアン・アイス・カチャンなどがある。
③ 安記香滑文頭雪
デザートショップ「安記香滑文頭雪」でアイス・カチャン($2)をいただきました。アイス・カチャンは日本のかき氷とは違って色がカラフルなのが特徴です。こちらも三色アイス・カチャン。口の中ですっと溶けるふわふわの氷を食べていくと、チェンドルやグラスゼリーが出てきます。まるで宝探しのように楽しく食べられるのも魅力の一つです。アイス・カチャンのもう一つの大きな特徴はスイートコーンが上に乗っていたりするところですが、今回いただいたアイス・カチャンにはスイートコーンは乗っていませんでした。けれども、甘すぎない黒糖の味と様々なゼリーの味との融合は、病みつきになります。
安記香滑文頭雪
(編集の最後に)
チャイナタウンコンプレックスは、チャイナタウンMRT駅から徒歩3分ほどの場所にあり、260店舗以上の店を構える大きなホーカーセンターです。今回はたくさんのお店の中からデザートにフォーカスして取材を行いました。シンガポール定番デザートをメインに食べてみましたが、かき氷ベースのデザートで涼しむことができるのと同時に、色鮮やかな見た目も楽しめました!ぜひ、みなさんもチャイナタウンに訪れた際は、チャイナタウンコンプレックスで休憩もかねたひと時を過ごしてみてください。
文責・写真 南十字星編集委員
<日本人学校中学部教諭>柴引真奈、山本瑞絵、品川彩子
<ミュージアム日本語ガイド>横井えり
史蹟史料部発行の冊子『喰いだおれ in Singapore』(クラブショップで販売中)に掲載されているローカルフードの説明文を引用しております。
