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ハロー日本人学校 シンガポール日本人学校中学部の SDGs(持続可能な開発目標、Sustainable Development Goals)教育(5月号 2022年)

30 Apr 2022

 


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シンガポール日本人学校中学部のSDGs(持続可能な開発目標、Sustainable Development Goals)教育


 


シンガポール日本人学校中学部1年生では、総合学習の時間を使ってシンガポールの現地理解学習を行っています。シンガポールの生活や文化・習慣など、様々な魅力を発見するとともに、SDGsの学びとつなげ、より良い生活や世界にしていくために何が必要なのかを考えています。その学びの一端を紹介していきます。また、シンガポールでの現地理解やSDGsの学びを深めるために、濱川知宏さんによる講演会もご紹介いたします。


 


SDGsフォトコンテスト


 長期休みを利用して、「シンガポールで見つけたSDGs」を子どもたち一人一人が写真に収めて発表しました。インターネットの情報だけを紹介するのではなく、自分の目で見て確かめ、自分自身で撮った写真か自分が写っている写真であることが条件のフォトコンテストでした。


 保護者の皆様方の協力もあり、子ども達が見つけてきてくれたシンガポールで見られるSDGsの取り組みは多種多様でした。クラス内での発表を通して、こんな取り組みがあったんだ!と新たな発見に驚いている子が(教員も含めて)たくさんいました。普段見ていたものでも気付かなかったシンガポールでのSDGsの実践を知る、大きな学びの共有の場となりました。


 


フォトコンテスト作品例


<耳の不自由な人が働いているベトナム料理店へ>


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<ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの知られざる工夫>


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<シンガポールで見つけたペットボトルのリサイクル>


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<シンガポールのビーチで拾ったゴミをオーナメントに>


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この他にも、自宅で自作コンポスターを使った堆肥作りに挑戦したり、シンガポールにある服のリサイクルボックスを活用したり、シンガポール産の食材だけでケーキを作ってみたりと、SDGsの取り組みを発見するだけでなく、自分たちの手でSDGsに関するアクションをすることで学びを深めている子ども達もたくさんいました。


SDGsに関連した講演会


 シンガポールでの現地理解やSDGsの学びを深めるために、濱川知宏さんをゲストにお迎えしてお話を聞かせていただきました。濱川さんは、バリ島を拠点に「Earth Company」という一般社団法人を設立し、教育や社会起業家の支援を通してサステナブルな未来を創造する活動を続けています。


 また、泊まるだけで社会貢献ができるという徹底的に環境に配慮したエシカルホテルも運営されています。ダライ・ラマ14世により、日本人として初めて「Unsung Heroes(謳われることなき英雄)」を受賞した濱川さんが目指す世界を、中学生に向けて語っていただきました。


 「私たちは気候変動の影響を体験する最初の世代であると同時に、それについて何かができる最後の世代です」というバラク・オバマの言葉を引用して始まった濱川さんの講演では、世界が抱えている課題を子ども達の身近な食べ物を通して分かりやすく説明してくださいました。そして、それを少しでも解決するために奔走している濱川さんのバリ島での取り組み、そして若い世代に託す熱い思いを熱く語ってくださいました。子ども達はその姿に深く感銘を受けていたようです。濱川さんが運営されているバリ島ウブドのエシカルホテル「MANA EARTHLY PARADISE」のライブツアーにも、子ども達は興味津々でした。


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「自分たちが地球を救える最後の世代であるということを本を通して知るのではなく、実際に環境のために活動している大人から実際に声で聞いたので、本当にそうなんだなと強く感じた。」「自分の知らないところでひどい恐ろしいことが起こっていることを知り、もっと調べたいという意欲を掻き立てられた。」「ここまで本気で今の地球の課題を変えようとしている人を初めて見ました。少しでも今の環境が変わるなら、自分にできることをやっていきたいです」(子ども達の感想より)


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濱川知宏


一般社団法人Earth Companyマネージング・ディレクター。ハーバード大学人類学部卒。ハーバード大学ケネディ行政大学院公共政策学部にて修士号取得。元東京大学特任助教。国際NGOコペルニク最高戦略責任者。2014年ダライ・ラマ14世より「Unsung Heroes of Compassion」賞を受賞。シンガポールの企業向けにサステナビリティ研修も行っている。パートナーの濱川明日香さんは2021年8月発売の『NEWSWEEK』で、「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれている。


 


中学生から始まったアクション「THE WAVES」


 最後に、シンガポール日本人学校中学部の子ども達が自主的に取り組んでいるSDGsの活動を紹介します。


 初めは、海や海の生き物が大好きな二人の中学生から始まったビーチ清掃。昨年末から毎週日曜日に、イーストコーストパークのビーチのゴミ拾いを始めました。すると、それに賛同するクラスメイトや教員などが一緒にビーチ清掃を始めるようになり、今では30名を超えるグループとなりました。


 ゴミをポイ捨てしないように協力を求める声かけをしながらゴミを拾っている子もいます。どのようなゴミがシンガポールではよく捨てられているのだろうか?その対策法は?と日々子ども達で話し合い、考え、行動しています。


 「THE WAVES」と名付けられたこのグループは、自分達でビーチ清掃の活動をオーガナイズし、海洋汚染の深刻さを訴えるポスターを作ったり、ウェブサイトも作ったりしています。もしよろしければ応援してください。


https://the-waves-1.jimdosite.com/


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文責・写真:日本人学校中学部教諭 山本瑞絵


 


 


 


 


 


 

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