ハロー日本人学校 小さな外交官として創り上げた「ぼくたちが見たシンガポール」(3月号2026年)
01 Mar 2026

小さな外交官として創り上げた「ぼくたちが見たシンガポール」

1.「ぼくたちが見たシンガポール」とは(拓海)
シンガポール日本人学校チャンギ校の6年生のぼくたちは、「日本とシンガポールをつなぐ小さな外交官」として、シンガポールの魅力を自分たちの言葉で伝える本「ぼくたちが見たシンガポール」を制作しました。
きっかけは、「大人が作ったガイドブックにはない、子どもならではの学びを伝えたい」という思いです。テーマを決めるまでには、たくさんの話し合いを重ねました。しかし、学校で話したり調べたりしただけでなく、実際に足を運び、深く学んだ内容は、どれも自信を持っておすすめできるものばかりです。
小学生の視点だからこそ見えてきたシンガポールの新しい魅力を、ぜひ感じてください。心を込めて作り上げた、私たちだけの一冊です。

2.本の作成プロセス(彩葉)
制作にあたっては、まず「日本とシンガポールの架け橋」として活躍されている日本旅行の久野様より、「日本人として海外で働く思い」や、印刷費など、本づくりに必要な具体的な「費用」について学びました。続いて、Singlifeの飯田様からは、「読者の目線で考えること」の大切さを教えていただきました。
第1回調査では学年全体で行く国立博物館に加えて、各学級で調査場所を決め、校外学習を行いました。そして、自分たちが追究したいテーマを個人で選び、夏休み中には「シンガポールに住んでいるからこその夏休み」を有効活用して、各自での調査を進めてきました。一人ひとりが探究の学びを深めるために、夏休み明けには、各自のテーマについて追究してきたことを共有し、第2回調査計画にまで進んできました。第2回目の調査では、学年19グループでシンガポールの約60箇所にも及ぶ大規模な調査で学びを深めていきました。
私たちは各自で追究してきたテーマが読者に正しく伝わるよう、自分たちの学びを共有し、お互いのデザインについて何度も見合い、深め合いながら、細かい修正を繰り返してきました。最高の「ぼくたちが見たシンガポール」にすることを目標に、学年全体がまさに団結し、一つの本を創り上げることができました。

3.調査内容(星来・ゆの)
自分がシンガポールで好きなものや、気になったものについて、徹底的に追究し、1人1ページにまとめました。この本ではここシンガポールでしか分からないことがたくさんまとめられています。
私(星来)は生まれも育ちもシンガポールですが、ドリアンを一度も食べたことがありませんでした。みんなも嫌がって食べてみようとはしません。だからドリアンを食べて、みんなにドリアンの味のコクを教えたいと思い、調べました。私は、ドリアンを納豆に例えました。ドリアンは日本にはなく、納豆という例えは「日本の味」と「シンガポールの味」両方を食べたことのある私たちじゃないと分からない例えだと思います。日本人にとっての納豆は、臭いけどうまみがあってやみつきになります。シンガポール人のみんなも、納豆と同じように感じていると思います。臭い風味のあとに甘みがあります。私が学んだのは、住んでいる人によって、味の感じ方が変わるということです。私が教えたことを参考にドリアンを食べてみてはどうですか。
私(ゆの)は、プラナカン文化について調べました。みなさんはプラナカンという文化を知っていますか。実は東南アジアではとても栄えている文化の一つで、私はプラナカンが盛んな他の国にも行ったことがあるので、プラナカン文化を伝えたいと思いました。プラナカンについて調べるたびにいろいろな文化について知るきっかけになりました。私は約5年間シンガポールに住んでおり、日本のことはあまり覚えていません。今回調べてみてシンガポールの普通は、日本の普通とは異なることが分かりました。日本人の目線で考えると、その国の文化を深く味わうことができると感じました。
この本では、個人のテーマだけではなく、全体での学びも掲載しています。例えば、修学旅行でマレーシアを訪れ、学校交流や現地の建物を見学することで、外国の異文化について学びました。また、五年生の頃にマレーシアのジョホールバルでキャンプをした経験から、自然の中での生活の工夫を学ぶことができました。これらの経験は、今回の「私達が見たシンガポール」において大きな力となりました。


4.自分たちの思い(小春)
私たちはこのSGBookを「実際に手に取ることができる本」として製本することを目指しました。今の時代、パソコンやスマホなどが普及して、本もデータで見れるようになりました。そんな今だからこそ、私たちが紙で作ったのには大切な意味があります。それは、スマホでスクロールするだけでは伝えられない「体験」を届けるためです。全員で磨き上げたページには、シンガポールの魅力がぎゅっとつまっています。「紙だから伝わる重みがある。」そんな思いで、私たちは「紙」という形にこだわりました。ぜひ、この1冊を手に取ってじっくりと読んでみてください。
この本を読んでくださったシンガポール在住のみなさんには、この本を見てシンガポールの新たな一面を知っていただき、この国に来たことがない読者のみなさんにはいつかシンガポールに足を運んでくださることを楽しみに待っています。



5.配布場所とデータ版(悠人)
私たちは現在、日本、シンガポール、そしてその他の国の3つの地域に向けて活動を展開しています。日本国内では、児童それぞれの母校をはじめ、多くの場所へ送付しています。
これほど多くの地域に送るのには、深い理由があります。自分たちで「シンガポールBOOK」を作って満足するだけでは、自己満足で終わってしまうのでより多くの方に手に取ってもらい、日本とシンガポールをつなぐ小さな外交官としてシンガポールの魅力を発信すると同時に、自分たちの活動レベルを客観的に知る機会にしたいと考えています。
送付先については、日本国内は母校が中心ですが、シンガポール国内では日本人会などの日系施設やもう一つの日本人学校であるクレメンティ校などたくさんあります。また、チャンギ校には様々な国籍の生徒が在籍しており、そこからさらに、各生徒の出身国の日本人学校へとこの本が広がっています。
なお、本(冊子)だけでなく、PDF版もこちらにご用意しています。

https://www.jas.org.sg/filebox/magazine/yomimono/Hello_Japanese_School/SGbook_web.pdf










