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ハローインタビュー 福田萌さん (11月号2022年)

31 Oct 2022

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飾らず、ありのままのシンガポールを発信していきたい。


2021月に来星され、現在はYouTubeを中心にシンガポールの魅力を発信しておられる、福田萌さんにお話を伺いました。(取材日:2022年9月3日)


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インタビュー後の記念撮影(左から)前島祐太教諭、ルイーズきよ子教諭、田原口和華子教諭、福田萌さん、田端真侑教諭、永地志乃教諭
インタビューは2022年9月3日、日本人会にて行われました。


 


☆プロフィール 福田萌(ふくだ もえ)さん☆


1985年6月5日生まれ。 
岩手県出身。 
横浜国立大学卒業。
2006年ミス横浜国立大学。同年、 「ミスオブミスキャンパスクィーンコンテスト』 をきっかけに芸能界にデビュー。
現在2児の母。タレントとしてだけではなく、母親同士がつながるサロンを提案や、防災士の資格取得、ボイスメディア<Voicy> 「福田萌のIziUラジオ」、 FRaU web連載 「自分の人生を歩く」、 youtubeチャンネル 「もえチャン」など幅広く活動中。
現在は生活の拠点をシンガポールへ移している。


<youtube>
福田萌のYouTube-Moe ch.もえチャン-
https://www.youtube.com/channel/UCxbpQQS6pHnX-Ok-Fp8q7Tw


<オンラインサロン>
福田萌のママズオンラインサロン
https://lounge.dmm.com/detail/1733/


<インスタグラム>
@fukuda.moe
https://www.instagram.com/fukuda.moe/


聞き手  日本人学校小学部クレメンティ校教諭 
田端真侑、永地志乃、前島祐太、田原口和華子、ルイーズきよ子


シンガポールに移住を決めた理由は何ですか。


福田さん:2019年ごろから夫(中田敦彦さん)がYouTubeを中心に仕事をしていましたが、新型コロナウイルス(COVID-19)が蔓延した2020年から、自宅に撮影機材を持ち込み“Work from Home”を始めました。これならどこでも住めると思い、まずは日本国内の地方を検討しましたが、海外でもできるのではと考えました。そこで、以前(2019年)家族で訪問したことがあるシンガポールは、教育が充実していることや子育てがしやすい環境であるので、シンガポールに来ることになり、約1年間かけて準備をしました。


シンガポールの魅力は何だと思いますか。


福田さん:どんな人も子どもに対して寛容であることです。例えば、レストランには子ども用の椅子やカトラリーが必ず置いてあり、子どもが騒ぐことは当たり前であるというウェルカムな雰囲気があります。日本だと子どもを受け入れてくれる場所を探す必要がありました。シンガポールは、母親としてホッとできる環境であることが嬉しいです。また、バスや電車では、多くの人が子どもだけでなく親子に席を譲ってくれます。このような環境の中で、子育てをしている自分自身のストレスが減っているのを実感しています。


シンガポールに住んでいて困ることは何ですか。


福田さん:まず、食事が外食だと子どもの舌に合わないことです。例えば、麺類だと小魚が入っているもの、おいしそうに見えても辛くて食べられないものなどがあります。日本食は、ほかの海外に比べたら手に入りやすいと思いますが、値段の高さは否めないですね。最近家族での外食をよくするようになり、ホーカーでは子どもはチキンライスやシュウマイなどを食べ、大人は辛い物を食べたりしています。それから、言葉の壁、特にシングリッシュを聞き取るのが大変です。ただ、シングリッシュのアクセントはきついけれど、シンガポールは相手を理解しようとする優しさを持った人が多いので、私の英語がそんなにできなくても意思疎通ができると感じています。


シンガポールのおすすめスポットはどこですか?


福田さん:旅行で来た方々は、よくマリーナ・ベイ・サンズのプールに行きたいとおっしゃいますが、そこは宿泊者しか入れないので、私はプールの隣のレストランをお勧めしています。屋上なので、レストランからは景色を一望できますし、プールも見られるからです。ダックツアーも楽しかったです。船でドボンとする時に水しぶきが飛んで、息子が少し濡れてしまうくらいでした。マーライオンやマリーナ・ベイ・サンズなどを水上から眺められる貴重な経験ができました。それからチャイナタウンが好きで、ディープなマッサージ屋によく行きます。カッピングや肩こりによく効く瀉血(しゃけつ)をしてもらっています。デンプシーヒルにあるカレー屋さんでは、バナナの皮にビリヤニやカレーなどを乗せて出してくれて、インド体験ができました。チャイナタウン、リトルインディアなど、多民族国家であることを感じられる場所が楽しいですね。


シンガポールで今後やりたいことは何ですか。


福田さん:せっかく英語圏に住んでいるので、現在はオンラインで英語を学習中です。また中国語を話す方が多いので、ゆくゆくは中国語も勉強して話せるようになったらいろいろな人と仲良くなれるかなと思っています。また、他の国へのアクセスがいいシンガポールなので、マレーシアに行ってみたいと思います。私は野生のワニがいる公園にも行ってみたいです。


日本でも広げたいと思うシンガポールの習慣はありますか。


福田さん:社会全体が、子どもと生活することが当たり前であるという目線であるという点です。それは、子どもに直接優しく接するということだけでなく、飲食店に子ども用の椅子が置いてあるだけで、子どもと一緒であることを受け入れられていると感じることなどです。また、シンガポールでは母親だけでなく父親も積極的に学校行事に参加をしていて、両親の役割分担がナチュラルにできています。そのようなことも、日本に広がるともっと子育てしやすい社会になるのではと思います。


お子さんをインターナショナルスクールに入れた理由は何ですか?


福田さん:現在、長女が9才で小学校3年生、長男が5才で年中です。学校についてはいろいろな選択肢がありますが、まず、どのような経験を子どもたちにしてほしいかを考えました。子どもたちには、英語を身につけてほしい、いろいろな文化に触れてほしいと思いましたので、インターナショナルスクールを選びました。その中でも、日本人が特に少ない学校を選びました。そのような環境だったら自然に英語も身につくだろうと思っていました。 実は私自身も高校時代にオーストラリアに留学したのですが、その時に日本人よりも現地の人々と関わることで言語を習得したという経験があったので、子どもには日本人の少ない学校をあえて選んだということもあります。でも、私は中学英語の基礎があったので、ある程度は現地の英語も理解できましたし、周囲の人も高校生なので私のことを理解する力もある環境でした。娘は全くコミュニケーションをとることができない状態で、日本人が全くいない学校に入ることになったので、娘にはかわいそうな思いをさせてしまったなという思いはあります。 娘はEALクラスで学習を始めました。休み時間はお友だちがいないため、一人で校庭の石を集めていたようです。持って帰ったきれいな石を見せてくれた時、私はかわいそうになって「日本人のいる学校もあるよ。」と言いました。それに対して娘は「私、今頑張っている途中だから。」と答えたんです。そこから少しずつ友だちもでき、1年半たった現在は、とても居心地の良い場所になっているようです。そして、担任の先生に娘は絵が得意であることを伝えたところ、よく絵のプライズ(賞)をくださるようになり、それが娘の良さをさらに引き出し、自信に結び付いたと思っています。また、息子も初めは幼稚園に「行きたくない。」とバスにも乗りたがらない日が続きましたが、今では「行ってきまぁす。」と元気に出かけるようになりました。 インターナショナルスクールに通い、言葉の壁に突き当たったことは、子どもにとっては人生初めての挫折だったと思います。そこにいるだけでも辛い、という経験をしたからこそ、思いやりのある優しい子どもに育ったなと感じています。例えば、娘はあとから入った英語ができない日本から来たばかりの友だちに対して、率先して手助けしていたりしました。


インターナショナルスクールと日本の学校の違いについて教えてください。


福田さん:インターナショナルスクールは小学校から高校までが併設されている学校で、売店を子どもたちも利用できるようになっています。小学生にもお金を持たせて、本を買ってよい週があったり、両親の誕生日の日には花を買ったりすることができます。また、休み時間か授業時間かははっきり分かれておらず、席もランダムに座ってよいし、トイレにも自由に行ってよい、とても自由な雰囲気です。娘は登校1日目と2日目は一日中遊んでいたと言っていました。それほど自由な伸び伸びとした学校です。かばんにはお弁当を入れていくだけです。テキスト(教科書)も筆記用具も必要なく、学習はタブレットとプリントを中心に行っているようです。学校からiPadが貸与されるので、それを使って資料をスクリーンショットしたり、音声入力したり、貼り付けをしたりして、オンライン授業でもしっかり学習ができました。このように、デジタル機器の多様な活用法も学んでいます。


YouTubeを始めようと思われたきっかけについて教えてください。


福田さん:日本にいる時から、夫がやっているのを横目で見ていました。やってみたいなとは思いつつ、時間がなかったりコンテンツにも悩んだりしていてなかなか始められませんでした。ところがシンガポールに来てからは、見るものすべてが新しく、写真を撮るだけで映えるので、自分にとってはただの街ブラでも、見てくれる人にとっては新鮮な驚きもあると思い、そういうことを伝えたいと思って始めました。また、子どもが朝早く学校に行くので、自分の時間も増えたことも始めた理由の一つです。


1本の動画作成にかける時間はどのくらいですか。


福田さん:10分の動画ですが、作成には1日かかってしまいます。「撮影→パソコンに取り込む→色味の調整→iPadに移す→カット→サブタイトルをつける→英語字幕を付ける」というのが動画作成の手順です。私にとってとても楽しい作業です。編集はこちらに来て初めてやったのですが、やればやるほど奥が深いです。ちなみに夫は自分の動画を編集しないので、編集については全く知らないのです。ですから、YouTubeで編集についての動画を見て、機材や技術的なことについて自分で勉強しました。


動画を作成する際に気をつけていることは何ですか。


福田さん:飾らず、ありのままを届けたいと思っています。手の込んだものよりも、「友だちと遊びに来たよ。」という感じで作りたいです。私はテレビの番組なども経験していますが、それは決められた手順を台本の通りにやっていました。そういうものとの違いがあるといいなと思って作成しています。


ご自分の動画の中でおすすめは何ですか。


福田さん:意外に皆さんから好評だった動画が「中田家のとある夕食」というものです。それは、動画の素材がなかなか見つからない時に撮ったものだったのですが、何気ない家族の夕食風景で、夕方から夜にかけて周りがだんだん暗くなっていく様子や家族の会話などが好評でした。


今後動画にしたい内容を教えてください。


福田さん:国境近くに「センバワン」という温泉の足湯があるので、その動画を撮りたいと思っています。


「ママズオンラインサロン」を始めたきっかけは何ですか。


福田さん:このサロンは、2019年の5月から始めて3年が経ちました。長女を出産した時、自分が必要な情報になかなか辿り着けず、欲しい情報にアクセスすることができなかったんです。自分の母親世代とは時代が違いますし、出産を経験している友だちもあまりいませんでした。そんな時、オンラインならば安心して繋がれるのではと思い、そのような場を作りました。私のサロンのモットーは「否定しない」ということです。活動例を挙げますと…コロナで学校が休校になっていた時に、あるママがZoomでの読み聞かせを計画しました。大人だけでなく、小学生のお兄さんが読み聞かせをしてくれたりして、子どもたちは真剣に画面に見入っていました。国や地域が違っても、親戚付き合いをしているような感覚になりました。このように学校でも地域でもない居場所ができ、文化の違いを感じながら繋がれることはとても良いことだと感じています。 現在会員は116名で、その中でオフ会に参加できるのが20〜30人くらいです。難しいのは、オンラインとオフラインの適度なバランスを保つことです。オフ会に参加できない人たちが寂しい思いをしないようにコンテンツを日々考えています。お母さん同士が連携して、それぞれが得意なスキルを共有し合いながら新しい会社を立ち上げたこともあります。私も高いスキルを持ったお母さんたちと協力して、南部鉄瓶の販売をここから始めました。いずれはシンガポールの有名なお店でも販売できたらいいなと思っています。


これからのビジョンを教えてください。


シンガポールの良さをもっと日本の人々に知ってもらいたいですし、文化の違いについての自分自身の驚きなどをYouTubeで発信していきたいです。


最後に読者の皆さんに一言お願いいたします。


福田さん:同じシンガポールに住む日本人同士として、私自身とても心強く思っています。街で日本人の方にお会いすると、一緒に頑張りましょうという気持ちになります。私を見かけたら、ぜひ声をかけてください。


今日はありがとうございました。


インタビュー後記


 インタビュー中もずっと笑顔で受け答えしてくださった福田萌さん。「シンガポールの情報を知りたいとき、まずチェックをするのが福田さんの動画です。」と答える編集委員もいます。今回、動画編集をされる際に気を付けておられるポイントや視聴者の方への想いを聞くうちに、福田さんのチャンネルを頻繁にチェックしたり、何度も見たくなったりする理由が分かりました。それは、とにかく温かく誠実なお人柄。ご自身の体験談を生き生きと話されるのをお聞きしていると、こちらまで福田さんと一緒にその場で体験しているような気持ちになりました。


 編集委員も、以前、街中で福田さんファミリーをお見かけしたことがあります。その時は、緊張と、なによりプライベートの時間を邪魔してはいけないという思いから、お話しするのをためらってしまいました。しかし、今回「ぜひ街中で見かけたときは声を掛けてくださいね。」と心強いお言葉をいただいたので、ぜひ次こそはリベンジを!と燃えています。ますます福田さんのファンになりました。心温まる、ホッとする1時間でした。本当にありがとうございました!

ハローインタビュー 福田萌さん (11月号2022年)