編集室より(9月号)2026年
01 Sep 2026
「exactly a world renowned cosmopolitan city」これがシンガポールに最初に降り立った時の印象でした。今年4月に赴任するまで、プライベートでもシンガポールに来たことはありませんでしたが、国際都市として、またアジアの最重要拠点の一つとして発展していることは認識していました。ただ、知っているのと、実際にその場に身を置くのとはやはり全く違います。上司の一人から赴任前に言われた言葉が胸に響きました。「お前はこれから自分がマイノリティになる世界に飛び込むんだ。今までの概念を捨てて飛び込んで来い。」まさにその通りでした。言語だけでなく、考え方や生活、仕事のスタイルなど、あらゆることが自分のこれまでの経験にないものでした。自分なりに確立してきた、生き「型」のようなものを打ち崩された感覚になりました。多様な民族と文化を包摂し、それらを強みに変えてきたシンガポールという国に圧倒されたのかもしれません。
4月は、そうした戸惑いの中、街の暑さと建物内の強烈な冷房のギャップにやや体調を崩し、喉をやられ、声が出なくなってしまいました。どのような薬を飲めばよいかも分からず困っていると、その様子を見た職場の現地スタッフが、次々に、喉に良いドリンクや飴などを買って持って来てくれました。シンガポーリアンの優しさに触れ、とても温かい気持ちになったのを覚えています。赴任して半年近く経ちましたが、今でも思い出すと目頭が熱くなる印象深い思い出の一つです。
話は変わりますが、私は自然が好きで、山登りが趣味です。日本にいた時は、週末のたびに様々な山に登ってきましたが、シンガポールには高い山がなく、持ってきた登山グッズは家の収納の奥にしまったままになっています。もう少し落ち着いてきたら、近隣諸国の山にチャレンジしたいと考えていますが、自然散策として、植物園やウビン島、ブキティマ自然保護区には真っ先に行ってきました。都心近くに、これほど素晴らしい自然があることに感動しつつ、シンガポールライフを楽しむきっかけを得た気がしました。『南十字星』でも、そのようなシンガポールの魅力を発信していければと考えています。
最後になりますが、私が大切にしている言葉の一つを紹介させてください。マークトウェインという方、ご存じでしょうか。「トムソーヤーの冒険」で有名なアメリカの小説家です。この方が残した言葉に次のようなものがあります。「The two most important days in your life are the day you were born and the day you find out why.」日本語訳すると、「人生で一番大切な日は、生まれた日と、生まれた理由が分かった日」となります。まだまだ若輩者の私ですので、未だ「生まれた理由」は見つけられていませんが、このシンガポールの地で、何かヒントでも掴めればと考えています。
(広報部理事 増田博之)

