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編集室より(5月号)2024年

23 Apr 2024

 


 


 シンガポールに初めて来た時に印象的だったことは、「街中に緑がとても多い」ことでした。近代的な高層ビルが立ち並ぶエリアを歩いていても見たことのない植物があちらこちらに植え付けられていて、観葉植物が好きな私にとって、シンガポールは歩いているだけで癒される国です。なぜこんなにも緑が多いのか調べてみると、この緑は元々あったものではなく人工的に作られていったと知りとても驚きました。熱帯の高温・多湿な気候を少しでも和らげて暮らしやすくするためだったのです。政府が進める「Green Plan 2030」では、①2020年から2030年にかけて植樹本数を倍増させること②建物の少なくとも80%を緑化すること③2030年までに200ヘクタールの屋上を緑化することが目標だそうです。私はこの緑化運動に強く興味を持ったので、植樹のボランティアに参加しました。植樹作業のボランティアのほとんどが初めて参加する人たちばかりなので、スタッフは、とても丁寧に慎重に教えてくれました。植えた木は30mくらいの高さまで成長するそうです。植樹していると、「参加してくれてありがとう!あなたの植えた木は、永遠にシンガポールにいるんだよ。あなたがもし日本に戻ってもまたシンガポールに来れば、この木が迎え入れてくれるからね。」とスタッフに言われました。私は、目頭が熱くなりました。


 シンガポールが素敵なのは、こういった都市計画を国民にも分かりやすく伝え、国民も参加してより良い国にしていくところです。木をたくさん植えることが目標であれば、作業員だけで植樹を進めた方があっという間に植えることができるでしょう。しかし国民参加型という形式にして、「みんなでより良い国にしていく」という考えが素晴らしいと思いました。1mほどの植えた木が、空高く伸びていきますように。


(編集部 堀内成美)

編集室より(5月号)2024年