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編集室より(5月号)2022年

28 Apr 2022

 


 「歳を取ると時間が経つのが早い」と言いますが、サーキットブレーカー中に赴任し、先が見えず苦悶した日々も気が付けば丸2年。不思議なもので本当に短く感じられます。
 しかし、足早に過ぎ去ったこの期間を振り返ると、実に沢山の帰任者を見送り、その分(とはいえ実際にはコロナの影響もあり、帰任者>赴任者なのですが)多くの赴任者とお知り合いになりました。
 この国にお越しになる駐在員やそのご家族はいわば、全員転校生のようなもので、常に入れ替わり、仲良くなったと思ったらご帰国で、また次の人が来る。常に出会いと別れの悲喜交交(こもごも)で、自分もそのうち帰るという、順番待ちの儚ささえ感じます。
 と、いいながら・・・実はこれがこの国の活気の源泉なんだなと最近気づきました。日本人だけでなく、多くの外国人(実際には言語グループ?)が同じようなことを恐らくやっている。人が循環することで経済が回り、世の中に変化と活気が生まれている。住民がひっきりなしに変わり、建物は建てては壊し、壊しては建てる。10年もすると、別のプレーヤーが活躍する国になっている。こうして助っ人外国人の力を借りながら新陳代謝を繰り返し、発展させているのがシンガポールなんだと思います。
 翻って日本。国の広さも違えば構成員も違う中、シンガポールを真似る必要はありませんが、「安定と変化」のバランスを意識して、国を発展させていくことが大事だと、あらためて実感する次第です。


                                                                                 広報部理事 神田真也

編集室より(5月号)2022年