aboutus-banner

編集室より(3月号)2021年

01 Mar 2021

 私達はこの一年間、新型コロナウイルス(COVID-19)に怯えながら、自由に外出できない不便さ、親しい人と会えない寂しさ、日本に帰れないもどかしさなど、先の見えない状況の中で不安な日々を過ごしてきました。そんな中で見つけた、私の小さな楽しみをお話します。それはウォーキングです。利用していたプールやジム、ゴルフ場が一時閉鎖され、運動不足とストレス解消を兼ね、早朝1時間半のウォーキングを始めました。最初は昭和の歌謡曲を聴きながら歩きました。テンポのよい曲だと足取りも軽くなり1時間半があっと言う間に過ぎてしまいます。おかげで知らなかった曲をたくさん覚え、カラオケに役立ちそうです。最近は、体を動かしながら頭を使うと脳の活性化につながり、ボケ予防になると聞いたのでTED(Technology Entertainment Designの略で世界中の著名人による講演会)を聴きながらウォーキングをしています。(こちらの効果のほどはまだ分かりません。笑)


 また、ウォーキングをしていると周りの景色をよく見るようになり、道端の草花、木、鳥などにも気を留めるようになります。可憐に咲く小さな花や、知らない鳥を見たときは写真を撮り、家に帰って名前を調べます。名前が分かった時は嬉しくなります。またウォーキング中によく見かける人も増えてきました。いつも全速力で走っている女性、もしかしたらオリンピック選手?自転車の籠に白と茶色のマルチーズ2匹を乗せて颯爽とペダルを踏む中年男性、車椅子に乗ってメイドさんと会話しながら散歩する老婦人、ある日ミネラルウォーターをもらいました。などなど。先日は若い中華系の男性が籠をしょってゴミを拾いながら歩いていたので、思わず声をかけました。「在宅勤務が多くなり、通勤時間がセーブできるので空いた時間でゴミを拾っているんですよ。この遊歩道を利用する人が急に増えたのでゴミも多くなりました。」と笑顔で答えてくれました。素敵な若者です。


 このようにシンガポールの人の生活を垣間見られるのも楽しみの一つです。そして一番の収穫は、私の体重が減り少しスリムになったことです。コレステロール値までグーンと減り、勧められていた薬も飲む必要がなくなりました。これは予期せぬ嬉しい効果でした。仕方なく始めたことでしたが、こんな良いことずくめのウォーキング、今後も継続していきます。苦しい状況の中にも小さな喜びを見つけられたことに、感謝している日々です。


                                                                                  (編集部 西山ひろ美)

編集室より(3月号)2021年