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編集室より(2月号)2025年

01 Feb 2025

 


 


SNSを開いてみてください。おすすめの欄には、どんな写真や動画が表示されていますか。きっと、自分や家族がよく見ているものか、それに関連するものが並んでいることでしょう。好きなものばかりで幸せです。好みに合ったコンテンツを次々に提案してくれるテクノロジーは、本当にすごいものです。


 しかし、それは少し怖いことでもあります。世の中にはもっと面白いことや、自分の強みになり得ることがあるかもしれません。それらに触れる機会が、無意識のうちに失われているかもしれないからです。


 私はよく3歳の我が子と散歩をします。「何かを見つけては止まり、遊ぶ」、その繰り返しです。大人なら5分で歩ける道でも、我が子と一緒だと20分もかかります。この国に来てから、彼が夢中になっているのは工事現場です。シンガポールにはあちこちに工事現場があることから興味をもちました。我が家は工事車両のおもちゃや本でいっぱいです。


 「好奇心」には2つの種類があるそうです。1つ目は「拡散的好奇心」。これは、新しいことにどんどん興味を持ち、知識を広げたいという気持ちです。2つ目は「探究的好奇心」。これは、1つのことについてもっと深く知りたい、掘り下げて学びたいという気持ちです。(最近のテクノロジーはこの「探究的好奇心」を満たしてくれますが、私たちは受け身になりがちです。)この2つの好奇心をバランスよく育むことが、私たちの人生を豊かにしてくれるのだと思います。


 シンガポールにいるからこそ、多様な文化や価値観に触れるチャンスが多くあります。さまざまな国の人たちと出会ったり、異なる文化の行事を体験したりすることができます。テクノロジーが大好きな私ですが、まずは自分自身がスマホから目を離し、好奇心を大切に育てていきたいと思います。


 


(日本人学校小学部チャンギ校 編集部 大内秀平)


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編集室より(2月号)2025年