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編集室より(2月号)2023年

31 Jan 2023

 


 


 8月9日、ナショナルデーの日には、シンガポール国民が一体となって国の独立をお祝いしていました。その後、私は、シンガポールの成り立ちに興味をもち、シティギャラリーを訪れました。この訪問を通して、シンガポールは、初代首相「リー・クアンユー」さんのリーダーシップの下、人口が少なく限られた資源の中でも、独自の成長戦略を練り、計画的な国土の開発や経済の発展を進めてきたことを知りました。そんな中、意外に感じたのが、「ガーデンシティ」の構想です。建国当時の緊急課題は、経済発展・住宅供給であり、都市緑化を優先できる状況ではありませんでした。にも関わらず、シンガポール政府は、都市緑化を進めてきたのです。理由は、「熱帯で人口密度が高い生活条件の厳しさを和らげ、住みよい街にすることは国民生活の向上になるし、国の財産にもなるから」だそうです。 


 現在、植樹された樹木は大木となり、暑さをしのぎやすくなっています。また、いたる所で整備された花壇は心を和ませています。シンガポールがいま世界で最も美しい都市の一つといわれているのを伺って、シンガポールの生活環境の向上が経済における国際競争力の向上につながっているのではないかと感じました。私は、改めてリー・クアンユーさんが考えた経済発展の構想として重要なのは、「人材確保・養成」である。そして、その「人材確保・養成」を支えるためには、人が住む「生活環境」の整備こそが重要であることを理解できたような気がします。


(編集部 佐々木雅彦)

編集室より(2月号)2023年