編集室より(12月号)2025年
18 Nov 2025
昨年の12月、私はシンガポールマラソンに参加しました。その年の3月に東京マラソンにも参加していたので、マラソンに特別な思い入れがあるわけではない私ですが、一年間の中で2回もフルマラソンを走ったことになります。フルマラソンを経験する以前の私にとっては、まったくもって考えられないようなことです。そんなシンガポールマラソンでは、この国の気候が私に合ったのか、東京マラソンよりタイムを20分以上も縮めることができました。ただ、自分の中で密かに掲げていた目標には届かず、悔しい思いを味わいました。その個人的な悔しさを除けば、本当に素晴らしいマラソン大会でした。
会場には午前2時過ぎに到着したのですが既に多くの人でごった返し、全体的に漂うお祭りムードがランナーのモチベーションを否応なしに高めてくれます。その後、5時過ぎごろにスタートをし、最初こそ暗くて静かな街中を淡々と走るだけでした。しかし、徐々に明るくなるにつれて街並みだけでなく沿道の応援者も見えはじめ、英語で応援されるたびに「海外でマラソンを走っている自分」をあらためて実感し、心地いい高揚感に包まれていきました。
普段はタクシーで躊躇なく駆け抜けていく車道の真ん中を、自分の足で一歩一歩踏みしめながら進んでいくと「いくら小さい国と言えども、やっぱり国は国だ・・・でかい!」と一国の偉大さにマラソンを通して気付くことができました。
フィニッシュ後の会場は野外フェスのような盛り上がりを見せていて、完走したランナーを多民族国家であるシンガポールらしくあの手この手で讃えてくれていました。
今年のシンガポールマラソンは、12月6日(土)・7日(日)に開催されます。私は今年については諸事情で参加できませんが、参加される方々の健闘を心より祈っています。今年参加されない方々も、シンガポール在住記念に来年以降ぜひ一度参加してみてはいかがでしょうか。
(シンガポール日本人学校中学部 鈴木俊太郎)












