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編集室より(4月号)2024年

01 Apr 2024

 


 桜咲く春が始まりました。と申しましても、シンガポールでは一年中夏。春夏秋冬は、コーヒーショップの新作ドリンクか、ファッションブランドのマネキンが着る装いで感じています。  
 日本人学校中学部では、四月は新学年がスタートする、出会いの季節です。初々しい新一年生たちが、緊張した面持ちで新しい学校の門をくぐります。その様子を見た先輩達が微笑みながら迎え入れる景色が、今年も広がります。私がこの記事を書いている現在は、卒業の季節です。小さかったあの新一年生たちが、今では背も心も成長し、堂々と花道を歩いていきます。頼もしくなった三年生が、新しい世界へと旅立つ瞬間は、いつ見ても私の心を震わせます。大人になってからは「たった三年」の期間ですが、中学生にとっての三年間は、自分の生き方、人生の歩み方が確立される、大きな心の成長がはぐくまれる長い長い期間です。この期間を、生徒のすぐそばで、共に歩むことができる、教員というこの職業に就き続けていられることは、私にとって深い喜びです。
 君と出会った幸せを かみしめながら 歩いていこう 一年先も 十年先も これからも ずっと
 今年の卒業式で、在校生が歌う合唱「変わらないもの」には、「仲間と過ごせた三年」が大人になってからも大切で変わらないものであるという気持ちが込められています。
 出会いと別れが多い、このシンガポール日本人学校だからこそ、共に過ごせる時間は貴重です。四月からの新しい仲間との出会いが、「幸せ」な時間となるように、教員として、生徒のそばで歩みたいです。これからも、ずっと。


 


(編集部 恒川園梨)


 

編集室より(4月号)2024年