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編集室より(4月号)2021年

01 Apr 2021

 自分のことで恐縮です。


 定年が近くなり、再就職先として挑戦することを決めた仕事が、日本人学校の教員でした。念願がかない、昨年度クレメンティ小学校へ派遣していただきました。中学校教員としての経験が長く、小学校での学級担任の経験がほぼなかった私でしたが、「何とかなる。」と、高をくくっていました。


 しかし、それは甘すぎる考えでした。社会科以外の授業準備は、ほぼ初めてのことでしたし、オンライン授業や学級通信の発行など様々な場面で必要なICT(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)操作が、大きな負担となってのしかかってきました。なかなか周りの教職員に頼りきることができず、できるだけ自分でやろうとした結果、勤務時間が学校で最長という月が続きました。同時に、不平不満が頭の中を駆け巡るようになっていました。


 藁にもすがる思いで周りの教職員に、様々な面から頼りました。そうすると、皆さんがいやな顔ひとつすることなく、時間を割いて丁寧に教えてくださいました。このような環境で仕事をさせていただく中で、私は、この教職員や学校のために「何とか力になりたい。」という気持ちを高めていきました。「力を合わせ協力し合うこと。」によって、効率がよくなるだけではなく、それぞれの持ち味が生かされるようになって、みんなが生き生きとしてくることに気付くことができました。 


 私を支えてくれたものがあります。それは、衰えてきた体力を補完するためのジョギングです。毎日、ジョギングを続けられているという思いが、「自分を成長させるぞ。」という勇気と「自分はできる。何とかなる。」という自信を与えてくれます。


 シンガポール日本人学校クレメンティ校に派遣していただいたことに、心から感謝しています。そして、これからどんな困難に出会っても、それは「自分に与えられたチャンス」ととらえて乗り越えていこうと思っています。


 


                                                                                  (編集部 越智建喜)

編集室より(4月号)2021年