同好会体験記〜レディースコーラス・男声合唱団〜（12月号 2022）

　日本人会には多くの同好会があることをご存知でしょうか。今回は、レディースコーラス・男声合唱団の皆さんが主催する合唱ワークショップに参加し、同好会活動を初体験してきました。（取材日:2022年10月8日）

　まずは代表の沢里様にご連絡すると、当日の持ち物などを丁寧に教えてくださいました。「みんなで一から音取りするので気軽にご参加ください！」と温かいご返信をいただき、安心して参加することができました。

　当日は、日本人会3階にあるスタジオに初めて伺い、緊張しながら中に入ると部員の皆さんや先生方が温かく迎えてくださいました。活動についてのお話を伺ったり、自己紹介をし合ったり、和やかな雰囲気のなかワークショップが始まりました。

　合唱指導をされている宇多田奈美先生は、気さくな方で、懇切丁寧にご指導をしてくださいます。まずは、発声練習からです。「ハハハ」や「アエイオウ」で、発声法を学びました。いい声を出そうと力まずに、へその少し下にある「丹田」を意識して、空気を回すように声を出す練習です。「丹田」は、発声以外にも体感を鍛えたり、綺麗な姿勢を維持したりするためにも大切な部位だそうです。

　発声練習が終わると、一人ひとりに楽譜が配られました。この日のワークショップでは、「大きな古時計」をソプラノ・アルト・テノール・バスに分かれて歌いました。まずは、先生による曲紹介からです。

　誰もが知っている名曲「大きな古時計」ですが、イギリスのジョージホテルに実在する時計をもとにできた歌だそうです。「100年休まずに」の部分は、英語の歌詞では「90年休まずに」と歌われていることなどを教えていただき、参加者の皆さんも頷きながら聞き入っていらっしゃいました。

　早速、女声・男声の各パートごとに音取りが始まりました。私はソプラノパートとして練習に参加しました。少しずつ丁寧に音取りをしながら進めていくので、初めてでも部員の皆さんと歌うことができました。

　また、音の取りづらいところも、先生が「ここは難しいところなので、少しずつで大丈夫です。」とゆっくり何度も教えてくださいました。

　各パートの音取りが終わると、歌い方についてのご指導がありました。時計をイメージしてどっしりと歌うこと、「きれいな花嫁やってきた」や「天国へのぼるおじいさん　時計ともお別れ」の歌詞に心を込めて歌うことなどを意識し、だんだんと曲が仕上がってきました。

　いよいよ各パートの歌声を重ね合わせます。スタジオ内に全員のハーモニーが響き渡りました。輪になって歌うことで先生や参加者の方々のお顔を見ながら、心を一つに気持ちを込めて歌うことができました。最後に合わせた歌声を、部員の方が動画に撮ってくださり、後日送ってくださいました。

　その後は、全員で「ミュージカルごっこ」に挑戦！「サウンド・オブ・ミュージック（映画）」のマリア先生になりきった宇多田先生と先生のピアノに合わせ、「ドレミの歌」を歌いました。すっかりトラップ家の子どもになった気分で、童心にかえって楽しく歌うことができました。

　温かい雰囲気の中でワークショップが終わり、あっという間の1時間半でした。練習後も部員の皆さんが気さくに声をかけてくださり、ご挨拶やお話をしながらスタジオを後にしました。

【レディースコーラス】

　レディースコーラスは、創立50周年以上になる歴史ある同好会です。これまで日本の合唱団との交流や、地元の方々との親善を目的とした様々なイベントに参加してきました。先生のご指導のもと、初心者も経験者も関係なく皆でコーラスを楽しんでいます！お腹の底から声を出すこと、皆で美しいハーモニーを作り上げること、普段の生活で自分1人ではできない体験を皆で一緒にできることが最大の魅力です。

 【男声合唱団】

　過去の合唱体験を問わず、楽しく男声の醍醐味を味わいたいと言う人間（メンバーには女性もいます）の集まりです。現在、部員数7名で急増中（？）宇多田先生の厳しい指導の中にも常に冗談ありで、いつも和気あいあいとした同好会です。

【編集後記】

　私はチャンギ校で低学年の子どもたちに音楽を教えています。今回は、お馴染みの名曲を初めてお会いする方々と歌うという新鮮な体験でした。素敵な方ばかりで、楽しい時間を過ごすことができました。改めて、歌の良さに気付くことができたように思います。レディースコーラス・男声合唱団にご興味のある方は、まずは一度ぜひご見学ください。その他の同好会活動へのご参加もお待ちしています。私もまた、今度は他の同好会活動を体験してみたいと思います！

文責・写真 　シンガポール日本人学校小学部チャンギ校　小松原英莉