クラウドマウンテン 
(上のつり橋はクラウドウォーク 左下はツリートップウォーク)
南十字星11月号、12月号で2つの屋外庭園をご紹介しました。今回は2つのクールハウスのうち、クラウドフォレストをご案内します。
クラウドフォレストは熱帯雲霧林のレプリカです
世界の熱帯、亜熱帯地方では、コスタリカなど熱帯アメリカ、アフリカ、マレーシアのキナバル山やカメロンハイランドのように、1000~3500メートルの高地に、ミストフォレストとかクラウドフォレストと呼ばれるシダ類やコケ植物が繁茂する森があります。
高さ58メートル、広さ0.8ヘクタール(サッカー球場1.5個分の大きさ)のガラスドーム内に、高さ35メートルの人工の山を造り、6000平方メートルの総植栽空間に、13万以上の植物を植えています。 ドームに入ると先ず30メートルの高さから落下する人工滝の水の迫力に圧倒されます。ドーム内部は23~25℃に設定され、夜間温度はもう少し下がるようです。ドームのガラスパネル数は2577枚、形や大きさの異なる690種類を使用し、特殊な表面加工により、太陽光の吸収は65%、太陽熱の吸収は35%だけとなっています。
ちなみに、フラワードームの方は、広さ1.2ヘクタール、高さ35メートルで、3332枚のガラスパネルを使用しています。

ドームのガラスパネル
穴だらけのクラウドマウンテン (Cloud Mountain)

クラウドマウンテンの壁は、あちこちに大穴があいた不思議なデザインです。
建築家によると、デザインのヒントはキヌガサタケのレースのような笠だったそうで、格子形建造物(Lattice structure)です。そして緑の壁の秘密は、
●コンクリートに干し草と泥を混ぜた土を壁に塗り、植物を植えてから黒く塗っている。
●水ゴケにより土の湿度が保たれている。
●植物は壁に金属ワイヤーで固定されている。
●壁には1200個の鉢があり、土を必要とする大きな植物が植えられている。
となっています。
観客は最上階にあるロストワールドから遊歩道やギャラリーを順番に廻りながら、地上へ降りていくシステムになっています。それでは、それぞれの場所につけて紹介していきましょう。
☆最上階ロストワールド(Lost World)
カラフルなシャクナゲ、珍しいスリッパオーキッド、豪華なメディネラ(ノボタン科)などの花々が目をひきますが、このエリアの主役は食虫植物類ではないでしょうか?ウツボカズラ、サラセニア、ムシトリスミレ、ハエトリグサなどを観察出来ますが、虫はこの人工空間にまだ現れていないようです。


シャクナゲの花

スリッパオーキッド

珍しい赤色のメディニラ

☆クラウドウォーク(Cloud Walk)
人工の山の斜面に育つラン、シダなどの数多くの着生植物を鑑賞しながら全長122メートルのつり橋を歩き終わると、山の中にある洞窟に入ります。
☆洞窟、ザ・キャバーン(The Cavern)
ここでは世界にある雲霧林についての説明パネルを読んだり、水の大切さについて学習できます。
☆クリスタル・マウンテン(Crystal Mountain )
屋外庭園にも置かれていますが、ベイサウス公園は中国の鍾乳洞から大小50個ほどの鍾乳石を取り寄せました。


マリーナ湾貯水池越しに、ベイイースト公園側から見たベイサウス公園

35mの高さから
流れ落ちる滝

ツリーファーン(木性シダ)と
ブロメリア

☆樹冠鑑賞のための橋、ツリートップウォーク (Tree Top Walk)
背が高い南洋杉科アラウカリア属(Araucaria)の上部が橋のすぐ横で観察できます。球果をつける雌木でしょうか?松ボックリと異なり、南洋杉科の球果は自分でバラバラに分解してしまうので、シンガポールでは見る機会は余りありません。
2012年11月に訪れた際には、一つの花に紅白2色が混じったツバキや、モクレンの花が咲いていました。また背が高く堂々とした木性シダは、上から見下ろしても大変美しいものです。
☆アースチェックと+5デグリー (Earth Check and +5 Degrees)
インターアクティブ・ステーションとビデオ鑑賞により地球温暖化問題や生態系の破壊について学習できるコーナーです。
☆秘密の庭シークレット・ガーデン (Secret Garden)
人工の山を降りると、深い峡谷を水路に沿って歩くという設定になっています。ここでは数種類の木性シダ、ブロメリア(アナナス類)、ランなどが観察できます。また2004年に開催された浜松湖花博で「植物界20世紀最大の発見ジュラシックツリー」と宣伝され、日本で初公開された南洋杉科のウォレミマツ(学名 Wollemia nobilis)が、ここに小さいけれど数本あります。ベイサウス公園建設中には、ホートパークにあった実験的クールハウスで、大切に育てられていた木でした。


水辺の風景

ボードウォークとスーパーツリー
(文・写真 岡島斉子)
ベイサウスは水辺の公園
サークルラインのベイフロント駅から、あるいはマリーナベイサンズ・ホテルからは、ドラゴンフライ湖を越えて公園に入りますが、この公園にはもう一つキングフィッシャー湖があります。マリーナダムに近く、この湖はマリーナ貯水池と連結しています。この2つの湖を合わせると、公園の湖面積は5ヘクタール、全長2kmになります。水辺には多種類の水生植物が植えられ、トンボや鳥も多いので、ボードウォークが楽しめます。