December 2006

Hello, Singapore General Hospital !

1821年創設のシンガポール・ジェネラル・ホスピタルはシンガポールでは一番歴史ある病院です。今年は185周年という記念すべき年をむかえました。 高度な医療技術、豊富な人材そして充実した教育設備を誇る医療の現場を訪ねました。

聞き手 : メディカルスタッフの会
付添い: 杉野一夫 / シャロン

 

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◆ 1821年というと日本ではまだ江戸時代後期
 ですが、ずいぶん古くからある病院ですね

Singapore General Hospital(以下、SGH)の前身はStamford Road近くの軍隊の野営地に建てられた小さな病院です。現在のOutram Roadに移転したのが1882年、その後、近代化の道を歩み始めたのが1920年代に入ってからです。今、利用されている建物の多くは1981年に再建されたものです。

◆ とても大きな病院ですが、その規模をおしえてください

キャンパスの広さは18ヘクタール、SGHだけで8ブロックあります。シンガポールでは第3次救急病院としての役割を持った最大の病院で1500床のベッド数と550名の専門医を抱え、年間を通して約7万人の入院患者と60万人の外来患者を治療しています。35の診療科目の他に病院敷地内にはがんセンターや歯科センター、循環器病センターなどの専門施設があり、患者は専門治療を受けることができるようになっています。

◆ 医療教育にもとても力を入れておられるとうかがいましたが

1900年代初頭に医療と看護の学校が設立されて以来、SGHは医療教育の中心になっています。これまでも多くの優秀な医療従事者を輩出してきましたし、 国内の学部生、大学院生そして医療専門スタッフの教育に携わってきました。国外からの研修生の受け入れも行なっています。


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◆ 外国人が病院を利用することは出来ますか

外国人の相談窓口を設けて対応しています。患者ではインドネシア、マレーシア、インド、中国の方が多いです。インドネシア、マレーシアの患者さんへの通訳サービスはありますが、日本語の通訳には対応できないのが現状です。日本の患者さんがもっと増えれば考えなければなりません。

◆ 日本では患者の在院日数が長いなど入院環境のあり
 方が問われる事実がよく取り上げられますが、SGH
 ではいかがですか

平均入院日数は5~6日です。もちろん患者の病状によって変わるわけですが、重症な場合でも2週間を超えることはあまりありません。また、その期間を超えるような場合に受け入れ体制として、Community Hospital やNursing Home 、Day Care Centerなどの各種病院や施設が配置されています。

◆ 病院内に博物館があるのは大変めずらしいと思い
 ますが

キャンパスのちょうど中央あたり、Bowyer BlockにSGHの歴史を追体験できる博物館があります。ここは2005年5月に現大統領Nathan氏によって開館されました。時計塔がシンボルの博物館は1926年建造の建物を改築し、唯一当時の面影を残す棟となっています。病院の起源、発達と近代化そして戦争の混乱期を経て今日に到るまでのSGHの歴史を是非、ご覧になってください。

◆ 185周年をむかえて今後、新たな目標はありますか

高度な医療機器を導入し、医療技術向上に力を入れていくことはもちろんですが、医療教育の推進にも更なる努力を行なっていきます。2007年にはキャンパス内に大学院生のための新しいメディカルスクールが開校する予定です。また、先程もふれましたが、病院の在院日数を極力減らすことも病院を効率化する上で重要な点です。現在、入院ベッドの稼働率は平均で85%ですが、より少ないコストで病院の体制を循環させていくことが今後も課題となっていくでしょう。



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SGH ミュージアム
SGHについて詳しく知りたい方は次のサイトへ

www.sgh.com.sg

開館時間:

火曜日~日曜日(月曜日 / 祝日…休館)
 10:00am~8:00pm 入場無料

 

見学を終えて ~メディカルスタッフの感想~

SGHオートラムキャンパスは思わず病院であることを忘れてしまうほど明るく、開放的な印象を受けました。入院病棟の内部は清潔感にあふれ、かつ細部にわたってきめ細やかな配慮がなされていました。たとえば、エレベーターホールに掲示されている“Ward Schedule”は患者だけでなく、病院を訪れた人だれもが病棟内のスケジュールを一目で確認することができます。また、病室のドアには“今日の担当の看護師の名前”、病室内には患者の名前や使用する言語のみならず、治療や食事に関する留意点までが書き込めるボードがつけられています。あたりまえのことのようですが、はたして日本の病院にこのような配慮があっただろうか?とメディカルスタッフ一同、「目から鱗…」の思いでした。文化・風習の違いを考慮したとしてもシンガポールの医療現場に学ぶべき所は多々あるように思われました。


 

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