南十字星7月号に「ホーカー・センター」のお話が載っていましたが、なかなか日本では馴染みのないものですね。私は来星後、週に何度もお世話になっているホーカーですが、いつも注文して、お金を払って食べるだけ。ふと、ここで働く人たちはどのように一日を過ごしているのだろう・・・という興味から、今回「ホーカー・センターの一日」ということで密着取材を行うことにしました。
 協力をして下さったのは、シンガポール日本人学校中学部の隣に位置する、「アヤラジャフードセンター」内の「AH WEI NIANG DOU FU」という釀豆腐(ヨンタオフー)のお店です。ご主人と奥さん2人で切り盛りされています。
 釀豆腐とは、魚の練り物を詰めた野菜や豆腐など、いろいろな種類の具材を選んで茹でてもらい、麺と一緒に食べる料理です。
 さて、ホーカーで働く人たちの一日の生活を時間ごとに追ってみましょう。

☀準備午前4:00☀             
ホーカーの一日は早い!毎日この時間にお店に来てまず作り始めるのはスープです。中身は、鶏肉、わかめ、白菜、塩、こしょうのみ。これを毎朝お鍋いっぱい作るのですが、昼過ぎにはほとんどなくなってしまうという人気のスープです。(写真①)
スープを煮込んでいる間に作るのが、豆腐や練り物です。ピーマンや青唐辛子に魚の練り物を詰めたり、豆腐を揚げて揚げ豆腐を作ったり、準備は2時間ほどかかるそうです。左の写真は蒸し器です。5段の大きな蒸し器で大量に練り物を作ります。(写真②)

☀Open午前6:30☀
6時半過ぎになるとどんどんお客さんが集まってきます。朝食としてここで食事をして職場や学校に行く人で賑わいます。注文の仕方ですが、好きな具材を棚から選んで、麺の種類を言います。朝食にスープというのも胃腸に優しくて良さそうですよね。(写真③)このお店の一番人気は「ラクサ」だそうです。「ラクサ」とは、ココナッツミルクベースの少しスパイシーなスープを使います。朝から胃腸には重そうですが、私はここの「ラクサ」が一番美味しいと思います。   

✿メニューあれこれ✿
 釀豆腐はいろいろな食べ方があるそうです。この店では4種類の食べ方があるということでご紹介したいと思います。
①スープ 
具材を茹でてもらい、麺とともにスープに入れてもらう食べ方。ラーメンや温うどんみたいなもの。(写真④)

②ドライ 
具材+麺、そしてスープが別という食べ方。(写真⑤)

③セパレイト 
具材+スープ、そして麺が別という食べ方。(写真⑥) 
  
④ラクサ 
ココナッツミルクベースなので、辛さの中にもマイルドな味がします。(写真⑦)
このお店では一番人気で、8時頃から売り始めて、11時にはなくなってしまうほどの人気です。

☆店じまい午後14:00☆
このお店では14時にお店を閉めます。ここから片付けが始まり、ご主人のMr. Ah Weiは調理場でスープや調理器具の片付けをします。(写真⑧)余ったスープは全部捨てます。奥さんのMs. Nancy Angは店頭に並べてある余った野菜を片づけたり、使った器を洗うなどの作業を行います。二人で手際よく分担して片付けます。2~3日に一度この片付けの時間にスープに入れるチリソースやスイートソースも作ります。(写真⑨)

店を閉めた後は、近くのウェットマーケットへ行って次の日の食材を買います。そうして家に帰るともう午後4時頃になっているそうです。朝の4時から夕方の4時まで働きづめの毎日です。ホーカーで働くのもなかなか大変そうですね。

★取材をして★
最後にご夫婦に、「ホーカーで働く上で、何か困ったことはありますか。」と聞いてみたところ、「人手が足りない。」と言っていました。「ホーカーで働きたいという人が少なく、もし手伝ってもらえるなら他の場所にも店を出したいし、日本にも出店したい。」と話していました。今回の取材を通して、日本にはないホーカーの魅力をたくさん知ることができました。そして現地の人の温かい心に触れ、さらにシンガポールが好きになりました。

            
(文・写真 尼子さやか)


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