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タイプーサム / Thaipusam 2011
● 取材日: 1月20日(木)タミル暦タイ月10日
● 取材場所: スリ・スリニバサ・ペルマル寺院~ スリ・タンダユタパニ寺院
Sri Srinivasa Perumal Temple~Sri Thendayuthapani Temple

この行事は、ヒンドゥー教の行事でありながら、発祥の地インドでは禁止されており、今はマレーシアとシンガポールでのみ行われています。もともと南インドに住むタミル人の行事だったため、タミル移民の多いこの2つの国に残されているのでしょう。
その由来は、ヒンドゥー教の神であるスプラマニヤ神(別名:ムガル神)がアシュラ(悪魔)を打ち倒し、平和をもたらした事で、タミル暦で「タイ」とよばれる月の10番目の日にあたる満月の日に祭りが行われます。
この行事に参加する信者たちは、神に願掛けや願いの成就を感謝するために、リトルインディアにあるスリ・スリニバサ・ぺルマル寺院から、リバーバレー・ロード近くのスリ・タンダユタパニ寺院までの4.5kmを、ある者はミルクポットを頭にかかげ、ある者はカバディとよばれる神輿を鉤で体に固定し、苦行に耐えながら歩きます。
今回、私たちは、出発地点であるぺルマル寺院と最終地点であるタンダユタパニ寺院を訪れました。ぺルマル寺院では、カバディの取り付けや神への祈りが行われます。ここでの見どころはやはりカバディの取り付けでしょう。取り付け作業は、細心の注意を払っておこなわれ、何年もこの作業に携わってきたような少し年配の方々が、一鉤、一鉤、角度を計算しながら、慎重に信者の身体に刺していきます。そして、既に祈りが捧げられた神様の絵等を頭上に取り付け、寺院の神に祈り、それから苦行に出発します。

タンダユタパニ寺院では、信者が担いできたミルクを神様の像にかけているところを見ました。神聖な牛から取れたミルクは、同じように神聖視されているようです。長い道のりの苦行を終えた信者たちの中には、顔は疲れきっていますが、最後の力をふりしぼって寺院の神様の前で最後に踊りを踊る者もいます。その精神力と体力には非常に驚かされます。
信者たちはタイプーサムに参加する前に、日数はまちまちですが(3,9,18,21日,1ヶ月,3ヶ月)身を清めるために、断酒、菜食、床の上での就寝等々の約束事を守らなければなりません。一般的にラッキナンバーである21にちなんで、21日間、実施する方が多いそうです。また、体に刺す針の多さが多いほど、長い日数行うようです。女性の場合、ミルクポットを頭に掲げるのみなので、3日間の精進でよいそうです。

今年は初めて政府から、禁止事項が通達され、1.ココナッツを鉤で身体にぶら下げてはいけない。2.顔に悪魔のような恐ろしいペインティングはしてはいけない、等々の8つの項目が寺院の中に写真つきで説明されていました。禁止事項をやぶると、$5,000以下の罰金、もしくは、来年以降の参加が禁止になるというペナルティがかせられます。苦行に耐えながら歩く人たちを鼓舞するために流す音楽やドラムの演奏も制限され、今年は今までで一番静かなタイプーサムになるかと危惧しましたが、例年とあまりかわらなかったように思います。
今年は平日だったからでしょうか?昨年に比べて参加者が少なかったようですが、約1万人の信者がこの祭りに参加したようです。多くの観光客が信者にまざって写真をとったり、質問をしたりすることができ、ヒンドゥー教の神聖な行事ではありますが、非常に開かれたイメージを持ちました。
(編集部 沓澤由佳)
![]() 夜のセラングンロードを 行進する人々 1月19日深夜11時、タイプーサムの前夜祭の取材のためにスリ・ぺルマル寺院に向かいました。とにかく人の多さにびっくり。人をかきわけ寺院の中に入ってみると、ミルクポットを捧げるための行進に参加する人々が壺を頭にひしめき合っていました。行進をする人の周りでは家族や知人と思われる人々がつきそい、かけ声をかけたり時には支え合ったりして、到着点であるスリ・タンダユタパニ寺院に向かってゆっくり歩を進めていました。夜の明かりに照らされて行進する様子は、昼の行進とは一味違った神秘的なムードが漂っていました。 (編集部 吉村浩一) |