空中で宙返りしながら球を蹴り、くるりと体を返して見事着地。豪快でアクロバティックな動きに思わず目を奪われてしまうセパタクロー。HDBのセパタクローコートなどで練習しているので、目にする機会が多いスポーツです。

◆ セパタクローのルーツとは

セパタクロー(sepak takraw)の「セパ」はマレー語で「蹴る」、「タクロー」はタイ語で「(籐製の)ボール」を意味する合成語です。9世紀頃から東南アジア各地で行われてきたスポーツで、その起源にはさまざまな伝説があります。1965年に東南アジア競技大会(現SEA Games)の種目に採用された際、アジアセパタクロー連盟が設立され、統一ルールが決められました。
 1988年には国際セパタクロー連盟(現ISTAF)が設立され、翌1989年日本セパタクロー協会が設立されました。
 シンガポールのお隣のマレーシアでは国技とされ、国際大会でも長く王者の名をほしいままにしてきましたが、ここ数年はプロリーグのあるタイの台頭が著しく、圧倒的な強さを誇っています。
 日本チームは、ミャンマー・シンガポール・ベトナム・インドネシア・ラオスといった国々と共に 3位を争っており、現在国際ランキングでも男女とも10位以内に位置しています。

 

◆ シンガポールのセパタクロー事情

・かつてはマレー系が中心だったけど…
 ほとんど全てのHDBにはセパタクローコートがあり、特にマレー系の男の子を中心に地域ごとにチームを持っています。仕事を終えて帰宅後、しばらく練習で汗をかきます。また、コミュニティセンターの多くもセパタクローコートを持ち、クラスがあるところもあります。
 多くの現地校では小学校から体育の授業に取り入れられています。アクロバティックな動きは危険でもあるので、子どもの頃は柔軟性を高めたり、ボールに慣れるための基礎練習をしたりするのが中心です。ほとんどの高校、大学やポリテクニック、ITE(Institute of Technical Education)はチームを持っています。
 ですから最近は、マレー系以外の若者も多く参加するようになってきました。
・スーパーシリーズ(国際マッチ)が2月 インドネシアで!
 シンガポールにはベドックにセパタクロー専用コートがあり、ナショナルチームが練習しています。昨年から国際セパタクロー連盟(ISTAF)の主催でスーパーシリーズという大会が開催されるようになりました。来月2月にはインドネシアで実施されるので、シンガポールのナショナルチームはそれに向けて毎日練習をしています。5月にはシンガポールで開催され、日本からも選手が派遣されます。本場東南アジアで日本チームが活躍する姿を見られるなんて楽しみです。
 さて、シンガポールにはプロリーグはなく、ナショナルチームのメンバーは全員アマチュアです。主に18~25歳で構成され、昼間は学校や仕事に行き、練習は毎日、夜です。
日本と違って女子の競技人口はたいへん少なく、昨年9月に行われたスーパーシリーズにも女子チームは参加していません。



種目
競技方法は、レグ、チーム、ダブル、サークル、フープの5種目あります。
○レグ…3人1組で対戦、2セット(1セット21点)でマッチ勝敗を競う。
○チーム…3レグ1チームで対戦、レグの勝ち数を競う。
○ダブル…2人1組で、レグ種目同様。
○サークル…5人1チームが輪になり、順にリフティングを続け、10分間の総回数を競う。※現在は行われていない。
○フープ…5人1チームが輪になり、5m上につるした籠に、頭、肩、足を使って10分間で入れた総回数を競う。
ルール
最も一般的なレグのルールを簡単に紹介します。
1セット21点のラリーポイント制で、2セット先取したレグの勝ちです。各レグが1セットずつ取った場合は3セットめで15点先取したレグの勝ちです。バレーボールによく似ていますが、主な違いは以下の3点です。
・腕、手を使わない。
・1人で続けて3回までボールにタッチしてよい。
・守備位置のローテーションなし。
 コートと配置
バドミントンコートと同じ広さ、同じ高さのネットを使用。ネットの両端にクオーターサークルが、中央にはセンターサークルがあり、プレーヤーはそれぞれ1人ずつ配置。
 ゲームの開始
クォーターサークルの選手→センターサークルの選手→相手コートというボール運びで試合開始。
相手コートからボールが来ると3回以内のボールのリフトで相手コートへ返さねばならない。
 フォルト
フォルトするとサーブ権が移動し、相手の得点になる。
・ラインクロス
・ネットタッチ
・オーバーネットしてボールにタッチ
・ボールが腕、手に触れる
・連続して4回以上ボールにタッチ
 得点
・サーブしたボールを相手が取れなかった
・アタックしたボールを相手が取れなかった
・相手レグがフォルトした 以上の場合、得点1点。

◆ セパタクローを観戦しよう

ルールが分からなくても、スピード感溢れるアクロバティックな動きを見ているだけで充分楽しめるセパタクロー。どこに行けば観ることができるのでしょうか。
 せっかくですから5月にシンガポールで行われる国際大会「スーパーシリーズ」を観戦しませんか。詳細が決まれば、シンガポールセパタクロー連盟のサイトにアップされます。
http://sepaktakraw.org/

◆ セパタクローを体験しよう

私たち日本人が最も気軽にセパタクローに親しめるのは、地域のコミュニティセンターのクラスに参加することでしょう。People’s Association主催のコミュニティセンターのスポーツクラブや学校対抗のトーナメント戦(コミュニティゲーム)もあります。ただし、こちらへの参加はPR保持者でないと難しいようです。興味がある方は、上記のセパタクロー連盟に参加できそうなクラスをお問い合わせください。
 バドミントンコートとボールがあれば、始められるセパタクロー。いきなり宙返りはできないけれど、ネット越しにボールを蹴ってみませんか。

(文・写真 上田 恵)

取材協力
•ISTAF Marketing, Singapore Sepak Takraw National Team 
•HDBでプレイしていた方々

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