「Singapore Post発行の切手 
やはりJia Jiaは木登りが好き」

 ようこそ、Kai Kai、Jia Jia
9月6日朝8時過ぎに中国四川省成都からシンガポール航空の特別機に乗って2匹のパンダがチャンギ空港にやってきました。パンダは暑いのが苦手。そこで涼しい朝のうちに到着しました。彼らはオスのパンダKai Kai()5歳、中国での本名=武杰・Wu jieと、メスのパンダJia Jia()4歳、中国での本名=沪宝・Hu baoです。Kai KaiとJia Jiaはシンガポールでの名前で、公募によって寄せられた沢山の愛称の中から選ばれました。Kai Kaiは勝利、Jia Jiaは美しい、すばらしいという意味です。

2009年11月、APEC首脳会議に出席するために来星した中国の胡錦濤国家主席とナザン大統領との会談後、2010年に両国が迎える国交樹立20周年を記念して、中国からパンダ2頭が10年間にわたってシンガポールに貸与されることが発表されました。中国野生動物保護協会とシンガポールズー等を経営するワイルドライフリザーブスシンガポール(WRS)の共同研究事業としてプロジェクトが始動し、WRSはまもなくオープン予定のリバーサファリの中にパンダの森(Giant Panda Forest)を建設して受け入れ準備を進めてきました。両者の専門家が長い年月をかけて話合い、食事・住環境も万全の対策がとられています。その待遇はまさにVIP(Very Important Panda)。Kai KaiとJia Jiaは1ヶ月余りの検疫期間を終え、快適な環境のパンダの森に引っ越しし、今はもう新しい環境に慣れている頃。彼らに会えるのももうすぐです。

 もっと知りたい、Kai Kai、Jia Jiaのこと
まずは2頭の基本情報!
Kai Kai (凯凯)オス
誕生日:2007年9月14日
出生地:中国 臥龍パンダ研究センター
性格:従順、素直
特徴:オニオンヘッド! 頭の毛の形から玉ねぎ型に見える!?
好物:りんご
好きな事:食事のあとの昼寝
その他:2008年の四川大地震で臥龍のセンターが被害にあった後、雅安碧峰基地へ移送された
Jia Jia (嘉嘉) メス
誕生日:2008年9月3日
出生地:中国 パンダ保護研究センター
性格:陽気、優しい
特徴:肩の黒毛の幅が狭い
好物:にんじん
好きな事:木登り、木の上で食事もする

食事!
Kai KaiとJia Jiaはともに体重は111kg程。さて、パンダが竹(笹)を食べることは知られていますが、彼らは一体1日にどれだけの竹を食べるのでしょか。……答えは約20kg。2頭合わせると年間14,600kgもの竹が必要となります。これだけの竹を賄うためにWRSは2009年からリバーサファリはもちろん、シンガポールズー、ナイトサファリ、バードパークの敷地で竹の栽培に取組んできました。竹は4種類植えられ、毎日新鮮な竹が切り出されKai KaiとJia Jiaの食卓に上ります。

住まい!
リバーサファリの長江ゾーン(Yangtze River Zone)に建てられたパンダの森がKai KaiとJia Jiaの住まいになります。ドームの天井がある1,500㎡もの広さのパンダ舎は東南アジアでは最大で、パンダの生息地に近い環境にするために室温は18度から22度、湿度は50%から60%に設定されています。景観も茂みや岩あり水辺ありで自然に近い感じです。滝とプールは水浴びに最適。また木登りや運動もできるようになっています。Kai KaiとJia Jiaは気が向けば室外に出ることもでき、シンガポールの新鮮な空気を吸って熱帯気候も経験できるのです。この森には雉やレッサーパンダも同居します。

 パンダのこと
私達は「パンダ」と呼びますが、正式には和名:ジャイアントパンダ、英名:Giant Panda、中国名:大熊猫と言います。生息数は野生パンダは1600頭足らず、世界で飼育されているパンダでも300頭程のため、絶滅危惧種に認定されています。詳細をまとめてみましょう。

分類:食肉目 クマ科
学名:Ailuropoda melanoleuca
生息域:
中国の四川省、陜西省、甘粛省の標高約1300~3500mの山岳地帯の森林
大きさ:
体長:120~150㎝ 体高:70~80㎝ 体重:85~150㎏
食べ物:
主食は竹の幹、葉、タケノコ。稀に昆虫やネズミなども捕食。動物園でも主食は竹だが、その他に人参やりんご、粉類とビタミン類・ミネラルを混ぜたパンダダンゴを与える(上野動物園)

ⓒRiver Safari

WWF(世界自然保護基金)は、野生動物保護のために長年根気強く活動を続けていますが、そのシンボルマークは1961年の設立以来パンダなのをご存知でしょうか。やはりパンダはその愛らしい姿から誰にでも愛され、野生動物保護の象徴となっているのですね。
パンダの保護については中国政府とWWFは協力して多くの保護区を設定してきました。しかし野生のパンダの多くは保護区の外で生息しているため、今後は点在する保護区を自然の回廊(コリドー)で繋いでより広い保護区を確保することと飼育施設での繁殖がより進むことが大切です。




 世界に広がるパンダたち
なく、パンダの飼育繁殖の共同研究そしてパンダや絶滅危惧種の保護の必要をシンガポールの人達に啓蒙することも目的となっています。パンダの保護活動には莫大な資金が必要です。現在パンダはワシントン条約(絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)により商業取引が禁止され、学術研究が目的の貸与形式となっています。そのレンタル料も高額ですが、それもパンダの保護に充てられるとなれば仕方ないのでしょう…。
中国以外では10カ国に滞在するパンダ達。最近では2011年2月に上野動物園へリーリーとシンシンがやってきました。同年12月にはスコットランドのエディンバラ動物園へ、今年1月にはフランス中部のボーバル動物園へ、来年にはカナダのトロントへパンダ達が渡る予定です。そして何といっても誰もが期待するのが赤ちゃん誕生。パンダの赤ちゃんは生まれる時は100~200g程度なので、お産がとても軽いのは有名な話です。ちょっと羨ましいですね。パンダも相性が大事だそうですが、Kia KaiとJia Jiaにも赤ちゃんが産まれることを期待します。これは少し気の早い話ですが、まずは皆さん元気なKia KaiとJia Jiaに会いに行きませんか!!シンガポールでの楽しみがまた1つ増えましたね。
(文・原 佳子)

<参考ウェブサイト>
River Safari/中国パンダ保護研究センター/WWFジャパン/上野動物園


パンダは熊の仲間ですが冬眠をしません。普通冬眠は餌がなくなる時期に活動を停止して寒く厳しい冬を乗り切るため行いますが、パンダの主食の竹は1年中枯れることなく食べることができるので冬眠をする必要がありません。また、冬眠には食べ溜めをして太っておかなくてはなりせんが、竹は低カロリーなので冬眠に充分なカロリーを得られないのです。

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