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ベランダでチョウを育ててみませんか、と言っても飼育カゴをベランダに置くわけではありません。チョウの幼虫が好む植物をベランダで育てて、チョウがやって来るのを待つのです。チョウの幼虫は決まった植物しか食べない習性があります。その植物を「食草」といいます。シンガポールのチョウの食草を手元に置けば、美しい熱帯のチョウが皆さんの庭やベランダにやって来るかも知れません。 |
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■シンガポールのチョウを取り巻く状況 シンガポールは熱帯なので、生息するチョウの種類も日本とは違います。(一部同じものもいます)熱帯のチョウは色や模様が美しいものが多く、日本人にも人気があります。シンガポールでは見かけませんが、隣国のマレーシアやブルネイ、インドネシアには、チョウの撮影目的の旅行も多いそうです。(標本を持って帰るのはワシントン条約で禁止されている種類があります)実はシンガポールでは、公園などで昆虫を捕獲すること自体が法律で禁止されています。誰も捕まえないのに、シンガポールではあまりチョウを見かけないですね。それは、開発による都市化と、蚊やハエの撲滅作戦の影響なのだそうです。チョウは、園芸種の植物を好まず、野生種を好むことが多いのです。
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■シンガポールで見られるチョウ シンガポールでは、現在、約280種のチョウが生息しています。しかし、シティ周辺でよく見られるのは数十種、その中から主なものを紹介しましょう。 ●Common Mormon(和名:シロオビアゲハ) シンガポールでは、わりあい見つけやすいチョウ。日本でも南西諸島以南、沖縄などでは普通に見られるチョウである。翅に白い帯模様があることが和名の由来。幼虫の食草は、ミカン類とカレーリーフ。 ●Lime Butterfly(和名:オナシアゲハ) シティ周辺でもよく見かける。名前の通りライムの木に幼虫がいる。幼虫の食草はミカンの仲間であるため、ライムやレモンなどを植えると、成虫が卵を産みにやって来る。日本のナミアゲハもミカンの仲間を食草とし、見た目もよく似ているが、幼虫をよく見ると、ナミアゲハにはないトゲが体を守っている。シンガポールのLime Butterflyは色が明るいが、インドネシアのものは少し暗めの色。
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●Common Birdwing (和名:ヘレナキシタアゲハ)
幼虫の食草は、ウマノスズクサ属のAristolochiatagalaである。ウマノスズクサにはアリストロキア酸というアルカロイド系の毒性成分が含まれている。幼虫はこの毒性を体内に取り込むことで、鳥などの捕食者から身を守っている。 |
●Common Rose(和名:ベニモンアゲハ)
しかし、CommonBirdwingほど行動範囲は広くはなく、また高く舞い上がって飛ぶ事も好まない。 かつては日本にはいないチョウだったが、地球温暖化の影響か、近年奄美諸島でも確認されている。
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●Great Mormon(和名:ナガサキアゲハ) 和名は、長崎でシーボルトが最初に採集した事に由来する。オスは全体が黒で表の鱗粉は青みがかった黒だが、メスは6種以上の異形が確認されている。大型のチョウでオスは力強く羽ばたき、メスは毒を持つ他の種に擬態し、ゆったりと滑空する。食草は、ポメロの若い葉。近年、都市化の影響で次第に個体数が減っている。
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●Common Bluebottle ( 和名:アオスジアゲハ) 日本でも本州以南で普通に見られる一般的なチョウ。飛翔力が高く、せわしなく飛び回る習性がある。シンガポールではシティ周辺でもよく見られる。公園や街路樹などに生息し、たまに水辺に給水に降りている。食草は、クスノキ、シナモンなどクスノキ科の植物。
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●Plain Tiger(和名:カバマダラ) シンガポールでは、緑の多い地域で見かけるチョウである。 幼虫の食草は、クラウンフラワー、Blood Flower(トウワタ)。
クラウンフラワーは、葉の裏には細かい毛が生えていて卵を産んでもすぐに落ちてしまうため、葉の表に多く産む。
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●Malay Lacewing(和名:ハレギチョウ) 「マレーアン バティック」という別名を持つ美しいチョウ。ウビン島などで見ることができる。食草は、トケイソウ。シティ周辺のコンドミニアムのフェンスにも這うように植えられていることがある。
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●Cycad
Blue(和名:クロマダラソテツシジミ)
ソテツの新芽を食草とする。もともと日本にはいなかったが、近年、沖縄や九州で大発生し、ソテツを食害するため、ソテツの害虫として駆除の対象になることがある。ソテツの新芽の茎に侵入し、中から食べてしまう。 成虫は、翅の表から見ると鮮やかな青色をしている。
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●Glass Yellow(和名:キチョウ)
食草は、Bushy Cassia、Peacock Flower(オオゴチョウ)、Glaucous Cassia(モクセンナ)などマメ科の植物だが、公園の生け垣などに利用されるLeaf Flower(ヨウシュコバンノキ)にも幼虫を見つけることができる。
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●Autumn Leaf Butterfly(和名:不明)
道端の雑草Chinese
Violet(セキドウサクラソウ)を食草にする。幼虫のトゲには毒があるので、触る時には注意が必要。
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●Clipper(和名:トラフタテハ) 和名の由来は「虎に似た模様」。東南アジアを代表するタテハチョウ。西はインドから、東はパプアニューギニアまで広く分布し、地域により、茶色、瑠璃色、緑色など色合い・大きさが少し異なる。翅を広げて滑空して飛ぶ。
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■さあ、チョウを呼ぼう 美しいMalay Lacewingなどは、是非とも呼んでみたいチョウですが、シンガポール島ではなかなか見かけません。せっかくベランダに食草を植えても、成虫が食草を見つけなければ、産卵に訪れてくれません。そのためには、都市化が進んだシティ周辺でよく見かけるチョウの食草を育てるのがお勧めです。成虫が見つけてやって来るのを気長に待って下さい。卵は約3、4日でふ化し、種によりますが3〜4回脱皮します。その後、サナギになり、10日ほどで羽化し、成虫になります。 |
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お勧め食草 Leaf Flower キチョウの食草 あまり大きくならず、斑入りの葉が観賞用にもなる。 Peacock Flower キチョウの食草
街路樹や公園でもよく植えられている。 Lime Tree オナシアゲハ、シロオビアゲハ、ナガサキアゲハ ( GreatMormon)の食草
手入れをしないと大きくなるが、剪定して小さく育てられる。 Blood Flower(和名:トウワタ) カバマダラの食草 園芸店では黄花、赤花があるが、花が黄色で赤いガクを持つものの方がよくカバマダラが産卵する。 成虫が好む花 成虫は小さな花を好む。 Ixora、Lantaba、Pagoda Plant、Honolulu(Coral Vine)等。 |
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■シンガポールでチョウに出会えるところ Butterfly Park & Insect Kingdom セントーサ島セントーサ島の「バタフライパーク」では、約 50種を飼育していて、身近にシンガポールのチョウを観察する事ができます。ガイドツアーもあるので、チョウについて知識を得たい時にはとても便利です。また、世界各国のチョウの標本が展示されていて、一目で分布が分かるようになっています。 |
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ウビン島 本島では見ることのできないチョウも多数見られます。
オナシアゲハ、シロオビアゲハ、キチョウに加え、わりあい珍しいヘレナキシタアゲハがラン園周辺で見られることがあります。 ※住所 1 Cluny Rd
ここでもヘレナキシタアゲハが見られることがあります。 ※住所 177 Hindhede Drive
Tree Top Walkまでのトレイルコースを歩いてみましょう。 ※住所 Reservoir Rd (Off Lornie Rd)
チョウの食草園にしようというコンセプトで作られているため、珍しいチョウも見かける事ができます。 ※住所 378 Alexandra Road
出国審査後、免税店が立ち並ぶエリアの一角に「 Butterfly Garden」があります。2008年開園です。
「チョウの径」というゾーンに、いろいろな食草を植えています。また、休憩所には、チョウを紹介するボードが掛けられています。
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日本人学校小学部チャンギ校「バタフライガーデン」 2009年3月、セントーサ島バタフライパークのご指導でバタフライガーデンを開園しました。シロオビアゲハ、カバマダラ、オナシアゲハ、キチョウ、アオスジアゲハが確認済みです。 ※住所 11 Upper Changi Rd North
オーチャードロード周辺 バタフライトレイル Singapore Nature Societyは、今、オーチャードロードをバタフライトレイルにする計画を進行中です。 ボタニックガーデンからフォートカニングパークまでの約4kmにわたって、ショッピングモールや緑地などを利用して、チョウの食草を植え、チョウを呼ぼうという計画です。これは世界初の試みだと注目されています。この計画はThe National Parks Board (NParks)と、Singapore Environment Councilが後援しています。 第1段階として2010年6月にボタニックガーデンからタングリンロードまでがオープンします。約50種のチョウがオーチャードロードを舞うことが期待されています。
もっと詳しく知りたい方は ・ Nature Society (Singapore) ホームページ http://www.nss.org.sg/・ Butterfly Interest Group ホームページ http://butterfly.nss.org.sg/home/(文・写真 編集部:上田 恵)
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