カラフルな熱帯のツル植物の花々
アラマンダ(黄花:マレー庭園、
赤花:インド庭園)
 南十字星10月号で「ガーデンズバイザベイ」をご紹介しましたが、今回から4回に分けてガーデンズバイザベイの見どころを詳しく紹介したいと思います。第1回目は、屋外庭園にある「ヘリテージガーデンズ」を取り上げましょう。

新都心に市民の憩いの場ができた
世界的な大都会であるロンドンにはハイドパーク、ニューヨークにはセントラルパークがあって人々に憩いの場を提供しているように、東南アジアの都市シンガポールの新都心エリアに大型公園を建設するという政府案がリーシェンロン首相によって発表されたのが2005年でした。早速国際コンペで庭園デザインが公募され、採用されたのはロンドン南部バースの町にある会社、Grant Associatesでした。
世界があっと驚く大型クールハウスの中に、熱帯ではありえない「春や秋」の花々を一年中咲かせたい、そして高度のあるボルネオ・キナバル山のような場所で出会う「熱帯雲霧林」を人工的に再現したいという希望がシンガポール側にありました。一方Grant Associatesはオーストラリアのパース南部にある巨木カウリの森を人工的に作り出そうという斬新なアイデアを提出しました。この3つは5年の建設期間を経て、フラワードーム、クラウドフォレスト、そしてスーパーツリーという形態で私たちの前に全容を現したのが今年6月末でした。

屋内と屋外に分かれた見どころ
植物を題材にした大型テーマパークなので、世界約20ヶ国から珍らしい樹木が多く輸入されています。フラワードーム内のバオバブ、ボトルツリー、オリーブの古木、ナツメヤシなど、クラウドフォレスト内のシャクナゲやモクレンなどです。一方スーパーツリーの見どころは各種ランやパイナップル科観葉植物のアナナス類を垂直に植えこんでカラフルに仕立てたことです。
屋外庭園は大きく2つのテーマガーデンに分かれていて、1つは植物と人間の関りをテーマとする「ヘリテージガーデンズ」、もう1つは宇宙や自然の中での植物を考える「植物の世界」です。日差しの強い日中に屋外を歩くのは大変ですが、朝5時から午前2時までオープンしているので、涼しい時間帯に歩いてください。但し省エネで夜間照明は控えているため、植物をじっくり観察できるのは太陽光のある時間に限られます。
コロニアルガーデンはブラック・アンド・ホワイト家屋を連想させる白黒のツートーンカラーを基調とし、中央にビダダリ墓地跡から
移植したプルメリアの古木が数本配置されている

インドナツメヤシとテラコッタの馬の像(インド庭園)

屋外庭園~ヘリテージガーデンズ


多民族国家シンガポールは移民国家でもあります。商売で儲けようとシンガポールにやって来た人々、19世紀後半マレー半島にある錫鉱山へ、そして20世紀になってからはゴム園で働こうと人々はやって来ました。
シンガポール社会や文化を構成しているマレー人、中国人、インド人にとってどのような木が重要視され、どのような庭園を好んだかを、ヘリテージガーデンで見ることが出来ます。1819年ラッフルズ卿がシンガポール島に目をつけて以来、100年以上イギリスの影響下にありました。植民地宗主国となったイギリスは有用植物、すなわち換金出来る植物の導入や育成に多大な努力を払いました。パララバー、アブラヤシについては良く知られていますが、初期にはコショウ、ナツメグ、丁子、カカオ、コーヒーなどを収穫しようとしたのです。
シバ神を主神とするヒンドゥー教徒の多いスリランカやインド南部タミール地方からシンガポールに移民してきたタミール人が神様に捧げた花や実、インド古来のアーユールベーダ医学で珍重されてきた植物などをインド庭園で見ることができます。
中国では文人の好む庭には水路や池のあるところに、石や岩を配置し、古木がありました。また松竹梅は、熱帯のシンガポールですが、ここでは良く似た木々で再現されています。
マレー庭園ではココナッツ、パンノキ、ジャンブ(ミズレンブ)、マンゴスチンなど豊かな熱帯の恵みである果樹が植え込まれています。ここでは大きな木造吹き抜け家屋であるカンポンハウスに座り、友人たちとおしゃべりしながら、マレー社会の連帯感を味わってみてください。


マリーナベイサンズ・ホテルを背景にした
マレーカンポンハウス


①10月初め、ジャンブ(ミズレンブ)の実がたわわになっていた(マレー庭園)

②ラングーン・クリーパー(インド庭園)
③ツンベルギア(白)  (コロニアル・ガーデン)

アクセスのよいヘリテージガーデンズ
マリーナベイとガーデンズバイザベイ・プロジェクト
マリーナベイは、マリーナバラージ(堰)によって海水を遮断する一方、カラン川とシンガポール川の水が注ぎ込むため2010年に淡水化に成功し、シンガポールで15番目の貯水池となりました。埋立地の造成で生まれた新都心エリアに3つのウォーターフロントガーデンが建設されることになりました。
2012年6月29日一般公開されたベイサウス(Bay South)公園の面積が一番大きく、54ヘクタールあります。
面積32ヘクタールのベイイースト(Bay East)公園は2010年に開催されたユースオリンピック会場の一部として完成し、周辺住民の散歩場所として、又サイクリングの若者に人気のある公園となっています。公園施設は今後付加される予定です。
面積15ヘクタールのベイセントラル(Bay Central)公園は、建設中の新スタジアムが完成すると、シンガポールフライヤーまでの水際をプロムナードとして公園化される予定です。
ガーデンズバイザベイ新公園はマリーナベイサンズ・ホテルからECPをまたぐ歩道橋を渡り、次にドラゴンフライ橋を渡れば、直ぐにヘリテージガーデンズ中の1つマレーガーデンのカンポンハウスに到着します。サークルラインのベイフロントMRT駅からも近いです。夕方、周辺オフィス街で働く人々はマリーナ湾沿いのプロムナードでジョッギングに汗を流しています。涼しくなってからマレー、中国、インド、そしてコロニアルガーデンから成るヘリテージガーデンズをゆったりと歩き、7:45PMからスタートするOCBC光と音楽ショーを楽しむことをお勧めします。

この記事に興味を持たれたアナタ。自然友の会に入りませんか?ちょうど11月16日(金)はヘリテージガーデンの散策です。
入会前にちょこっと体験可。先着6名様まで!
連絡先 岡本 9820 7362  舩生 9233 0972
(文・写真 岡島斉子)
布袋和尚像は
「悟りの木ーインド ボダイジュ」
の前に置かれている

水が流れる中国庭園
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