つめ異常
August 2005
手指や足の爪に異常が見られることがあります。色、形、表面の状態や厚みなどに変化が現れます。皮膚と同じように爪は人の健康状態を反映しているのです。
例えば、へこんだり(爪の表面の小さなくぼみのこともある)、はがれかけたり、実際にはがれてしまったり、線状の盛り上がり(縦方向、横方向)、ボーの線(横方向に走る爪の溝状変化)、白色や赤色の縞や点、匙状の変形、青または緑色になったり、硬くてもろくなったりといった変化が挙げられます。
* * * * * 爪の異常の原因 * * * * *
〈外傷〉
爪や爪の生え際を押しつぶしてしまうような外傷では爪に永久的な変形を残してしまうことがあります。
- 爪をかむこと、これは不安や緊張が続いていること、または抑えがたい強迫の兆候であることがあります。
- 爪の生え際の皮膚を慢性的につかんだり、こすることは爪を波状に変形させたりします。
- 過度の水仕事や、爪を磨くことは爪の端をむけやすくしもろくします。
〈感染〉
- 真菌の感染は爪の色、表面の状態や形に変化を与えます。
- 細菌感染で色が変化したり(緑膿菌感染では爪が緑色になる)、爪床や周囲の感染で痛みを伴うポケットができたりします。重症感染では爪を損ないます。
- ウイルス性のいぼでは爪を変形させたり、皮膚が内側に食い込んだりしてしまいます。
ボーの線
『小児皮膚疾患カラーイラスト』
南江堂より
ばち状指
『外来の小児皮膚科学』南山堂より
〈内科的疾患〉
- 血液中の酸素の不足(例えば心臓の解剖学的な異常、癌や感染症に伴う肺の異常)があると、ばち状指となります。(これは指先が太鼓のばちみたいになったり、またはスプーンを裏から見たような形になることを言います)。
- 血液中に窒素代謝物が蓄積してしまうような腎臓の病気や慢性肝疾患や低栄養が爪の様相に影響を与えます。
- 甲状腺の病気で爪がもろくなったり、剥がれたりすることがあります。
- 心臓の弁膜への感染があると爪床に赤い線ができることがあります。
- 重症な疾患や大手術では爪に横方向の凹みができることがあります。(ボーの線)
- どんな種類のビタミン不足でも爪のつやがなくなったり、爪がもろくなったりします。
- 鉄欠乏性貧血では爪がくぼみます。(爪が内方向に丸くなる)
〈皮膚疾患〉
乾癬ではくぼみができたり、爪が剥がれたりし、爪が慢性的に損傷を受けたりします。
〈重金属の摂取〉
- 砒素毒では爪に白い線や横方向の線状の盛り上がりができることがあります。
- 銀を摂取すると爪が青くなります。
上に書いたような爪の異常や説明のつかない爪の変化があったら、医師の診察を受けてください。
次回は良くある爪の病気とその治療法についてお話しましょう。
(日本人会診療所医師 日暮浩実訳)
