February 2012

年齢を言わなくても、干支を知られてしまえば歳はバレバレ。
娘のお友だち(6歳)に「おばさんはなにどし?」と聞かれ、「ひつじどしよ♪」と偽りの干支を口走ったところ、すかさずうちの娘が「あれ?ママってバンビどしだよね?」と。えっ?「バンビどし」って・・・・・?ずっと前に、娘にはすでに偽りの干支を教えこんでいたことをすっかり忘れてました。(汗)
もの忘れはお年寄りだけの特徴ではありません。うつ病の症状の一つにもの忘れがあるように、若い人でも強いストレス状態にさらされると、もの忘れの症状が出てくることがあります。ストレスがあると、なぜもの忘れをするようになるのでしょうか?
記憶には、頭で覚える記憶と体で覚える記憶の2種類がありますが、頭で覚える記憶に関しては、脳の中の海馬(かいば)と呼ばれる部分がその主人公です。上記の写真をご覧ください。大脳の辺縁にある、親指くらいの大きさの細長い部分なのですが、その形がタツノオトシゴそっくりなことから海馬(タツノオトシゴの異名)と呼ばれるようになりました。この海馬が新しいことをどんどん記憶していくスーパーコンピューターなのであります。
たとえば、会社員Aさん、37歳。取引先との約束、子供の習い事の発表会の日程、趣味で始めた中国語会話など、次から次へと新しいことがらをAさんの海馬が記憶していきます。大体5週間くらいの間は、その記憶は海馬で保持されますが、その後は海馬での記憶は消えていきます。もう済んでしまった約束の日程やこれからも保持していきたい中国語文法などの記憶はそれぞれ圧縮され整理整頓されて、今度はAさんの大脳皮質という部分に古い記憶としてためられていきます。
ところがAさん、最近仕事の負担が大きくなって残業が続くようになり、睡眠不足が著しくなりました。実は海馬は大変繊細な臓器であり、ストレスで壊れやすいことが知られています。Aさんの海馬はストレスにさらされることでうまく働かなくなり、大事な会議の日時を記憶できませんでした。これまで忘れたことのなかった仕事のしめきりもうっかり失念してしまいました。仕事のミスが増えていることに周囲も気がつき始めています。一方、以前の古い記憶はAさんの大脳皮質にきちんと保存されています。そのため、Aさんがまだ新入社員だった頃にパワハラ上司に毒舌を吐かれ続けた嫌な思い出を今さらながらなぜか思い出してしまうようになり、その記憶に苦しめられるようになりました。
海馬がしっかり働いている状態というのは、新しいものごとがどんどん記憶され、脳が活性化されている状態と言えます。将来の認知症の予防にも、脳を元気にしておくことは重要です。海馬にずっと健康で働いてもらうためには、ストレスを受け続けないこと、つまり、自分が苦痛だと思っていることに長くさらされないようにすることは大変大事です。今年は辰年、自分の海馬を大切にしましょう。あなたの海馬はここでがんばっています
(下図の赤い部分)。
