「今月の表紙」
表紙:日本人会夏まつり 響屋のパフォーマンス 
撮影:日本人会広報部

「編集室より」

 シンガポールに赴任して、あっという間に1年半が過ぎました。
久しくふるさとに帰っていないので、澄み切った青空や風に揺れるすすきの穂、朝夕のひんやりした空気など秋らしい風景を思い返して、日本が少々恋しくなってきました(笑)。シンガポールで新しい刺激を浴びて日々充実した生活を送る一方、日本を離れたことでふるさとのよさも改めて感じています。
 そういえば、我が家の子どもたちは以前、ホーカーのことを「臭いとこ」と呼んでいました。アジア独特の調味料や併設する市場の乾物の香り、時季によってはドリアンの臭いも…。最初は失礼ながら本当に鼻をつまんで食べていましたが、最近はさっさと席に座ってあれこれ注文し、モリモリ食べています。日本に帰ったらきっと、このホーカーの香りも懐かしく思い出すのでしょう。
 さて、1年半の間に子どもたちはずいぶんたくましくなりました。英語と中国語の嵐に「保育園に行きたくない」とこぼしていた下の双子は、自分で身支度してさっさと登園するようになりました。最近は教えてもらった漢字を家で練習して、3年生の長男と対戦中です。一方、その長男はといえば、夕方はローカルの子どもたちに一人混じってサッカーに夢中。言葉は通じなくても同じ時間を共有している姿に、いい経験をしているなあとありがたく思います。
 私自身、日本の田舎町で長い間過ごしてきたので、勝手に色々なことを想像して壁を作っていました。でも、実際にこちらの人々の文化や生活にふれ、新しい発見がたくさんありました。自分の目で見、肌で感じるというのは大切なことだと改めて感じます。せっかくのシンガポール生活、親子でいろんなことを学んで、視野を広げて帰りたいと思います。

(編集部 礒田博文)