「今月の表紙」
チンゲイパレード2018
撮影:Mr Bao Siriguleng

「編集室より」
 

 シンガポールに住み始めた頃、不思議だったことがあります。毎朝掃き清めてくれる方がいるほど落ち葉があることです。自宅の敷地、歩道、公園、頭上の木をよく見ると枯葉もあれば若葉もあり、ひとつの木が葉を落としながら新しい芽吹きを同時に行っているようです。常夏の太陽の下で青々とした葉を変わらず繁らせているようでいて、毎日多くの葉が落ちることは驚きでした。木の葉の新陳代謝はとても早いスピードで行われているのでしょうか。
 春夏秋冬の季節の移り変わりは、自然や生命の営みや、時には盛衰に例えられます。生命あるものは大きなサイクルの中にあり皆そのサイクルからは逃れることはできない、と運命のように感じていたのは、四季のある地域に住む者の感覚だったのかもしれないと考えさせられました。
 シンガポールは発展した都市でありながら、多くの様々な生物が生息しています。その生物多様性に富む熱帯雨林の土壌は実は豊かではないと知ったのは後々になってから。自然の熱帯雨林を守り、一方でこの国は人の手でガーデン・シティを造り上げています。
 シンガポールは若者のようなエネルギーに満ちています。それは気候や風景から感じられるものだけではなさそうです。多様な人や物や文化が集まり、それを受容するこの国では終わらない若々しさを持つことさえ、もしかしたら不可能では無いのでしょうか?

(編集部 岡本紀子)